見出し画像

2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』あらすじ&感想(第14回「聖徳寺の会見」)

■あらすじ

道三(本木雅弘)との会見の場に、おびただしい数の鉄砲隊を引き連れて現れる信長(染谷将太)。正直者で先見の明があり、自分の若き日に似ている信長を道三は大いに気に入る。その姿に安堵(あんど)する光秀(長谷川博己)。そんな折、太原雪斎(伊吹吾郎)に率いられた今川軍が、再び尾張に攻め入ってくる。援軍を申し出てきた信長に道三は即座に応えるが、高政(伊藤英明)は、相談もなしに、美濃を危険な立場にさらすこの大事な判断を下した道三に憤りを隠せない。

■大河紀行 愛知県一宮市・東浦町

愛知県一宮市。信長公記(しんちょうこうき)によれば、木曽川に面したこの地で、斎藤道三と織田信長が初対面したといわれています。江戸時代には渡し船が行き交ったこの辺りも、かつては水深が浅く、道三たちは馬で渡ったと考えられています。兵を連れた信長たちは、尾張から美濃へと続く街道を進み、冨田村へと入りました。

2人が会見した聖徳寺。このとき道三は、娘婿である信長を高く評価したといいます。

愛知県東浦町。会見の翌年、今川氏との戦いで村木砦(とりで)に向かった信長。斎藤道三は、留守となった信長の居城を守るため、那古野(なごや)へ兵を送ったといいます。

道三は信長と良好な関係を築く一方、嫡男・高政との間には、確執が深まっていくこととなるのです。


今回も盛り沢山でしたね。

1.聖徳寺の会見

会見の具体的な内容は分かっていません。
濃尾同盟というのは、斉藤利政と織田信秀が決めたことであり、織田信秀が亡くなったので、斉藤利政と織田信長でも同盟を継続するか、破棄するか、きちんと決めておきたかったのでしょう。

2.村木砦の戦い


「信長の凄さは革新性にあり」と言いますが、「信長の凄さは合理性にあり」と言い換えられるのでは? 
「鉄砲は遠くから撃てる(敵に近づいて殺されることはない)、(剣術や槍術を学んでいない)百姓でも撃てる、(自分で作らなくても)お金さえあれば買える便利な武器であるから多用する」
「困った時は(犬が腹を見せるように)同盟者に頼る」
という合理的な発想は出来そうで出来ないかと。誰かがやれば、「右へ倣え」で出来るかもですが。

3.深芳野の死


 深芳野は気が狂って自殺したようにも見えましたけど、どうなんでしょう? 公式サイトには「酒におぼれた道三の側室・深芳野(南果歩)は長良川のほとりで水死する」とありますから、飲みすぎて、酔いをさまそうと川へ行ったら、足を滑らせて川に落ちて溺死し、川岸に漂着したのでしょう。
 深芳野の夢は、我が子・斉藤高政が家督を継ぐことだと思います。
 深芳野の頭の中を想像するに「隣国の尾張では、長男・織田信広が『側室の子である』という理由で家督を継げず、うつけであるにもかかわらず次男の織田信長が継いだ。この美濃でも、側室である私の子である長男・斉藤高政は家督を継げず、正室・小見の方の子である次男が家督を継ぐことになりそう。その理由は、①我が子・斉藤高政が、我が夫・斉藤利政と仲が悪い(2つの貝殻がぴたりと合わない)こと、②我が子・斉藤高政が、自分の父親は斉藤利政ではなく、土岐頼芸の子だと思いこんでいること(もし、土岐頼芸の子であれば、斉藤利政は家督を継がせないので、『斉藤高政は土岐頼芸の子』の真偽はどうあれ、何が何でも完全否定しないとダメ)」かな。
 不思議に思ったのは、深芳野の水死体の側にいたのは、夫・斎藤利政と子・斎藤高政だけだということです。私が脚本家なら、弟・稲葉良通もいて、斎藤高政が「私に所司代を継がせよ」と言った時、稲葉良通に「そうなされよ」と言わせます。死体が笑っていたのは、稲葉良通の支援無くとも事が成就し、斉藤利政に「斉藤高政に家督を譲る」と言わせることが出来たからでしょうね。

「高政にとって信じられるものは、母である深芳野から産まれたということだけだった。その母の死によって、唯一のよりどころを失った。道三に家督を譲るように迫ったのは、高政の思いというより、母の長年の願いをかなえたかったからだと思います」(伊藤英明)
https://twitter.com/nhk_kirin/status/1251840107318927360

今回は、聖徳寺での斉藤利政と織田信長の高笑いに始まり、深芳野の微笑で終わりました。テーマは「笑い」なのか?(途中、帰蝶が明智荘に来る理由を知った明智光秀が驚くという、視聴者が笑う場面も用意されていたね。)

サポート(活動支援金)は、全額、よりよい記事を書くための取材費に使わせていただきます。ご支援よろしくお願いいたしますm(_ _)m