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2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』あらすじ&感想(第37回「信長公と蘭奢待(らんじゃたい)」)

■あらすじ

上洛間近の武田信玄(石橋 凌)の進軍が、突然止まった。義昭(滝藤賢一)は信玄や朝倉の援軍を得られず孤立、藤吉郎(佐々木蔵之介)率いる織田軍に捕らえられる。二条城にいた幕臣・三淵(谷原章介)も捕らえられ、早々に信長(染谷将太)方についた弟・藤孝(眞島秀和)と苦しい再会を果たす。菊丸(岡村隆史)より武田信玄が秘密裏に死んだことを知らされる光秀(長谷川博己)。その報告を受け信長は、後ろ盾を失った朝倉・浅井に対して兵を挙げ、一気に攻め滅ぼす。ついに権力の頂点に立った信長は、ある突拍子もない願いを朝廷に突きつける。

■トリセツ

信長が所望した『蘭奢待(らんじゃたい)』とは?

信長は天皇の許しがなければ拝観することすらできない正倉院の宝物『蘭奢待』の切り取りを行いました。そして、過去に足利将軍家の3代義満、6代義教、8代義政によって切り取られた跡があることが紹介されました。
これら歴代将軍の名と肩を並べることにより、事実上、正親町天皇からも「それに値する武将」だと認められたことになり、信長の権勢を広く世間に知らしめることになりました。
『蘭奢待』とは、古来“天下第一の名香”とうたわれる、全長156cm・重量11.6kgの巨大な香木・沈香(じんこう)で、正式名称は「黄熟香(おうじゅくこう)」。
雅名(がめい)である「蘭奢待」の3文字には、それぞれに「東」「大」「寺」の文字が隠されています。現在も正倉院の宝物として収蔵されており、足利義政や織田信長、明治天皇などが切り取らせた箇所を確認することができます。

■大河紀行 京都府宇治市/城陽市

京都府宇治市。戦国武将たちに愛好された茶の生産地として知られています。
かつて、宇治川が流れ込んでいた巨椋(おぐら)池、その中の島に築かれたのが槇島(まきしま)城でした。将軍・義昭が籠城した城です。
しかし、信長率いる大軍勢に攻め込まれ、義昭はあえなく降伏しました。
誓澄寺(せいちょうじ)の毘沙門天は、槇島城の守り神として祭られていたものです。戦火の中、城から持ち出されたと伝えられています。
京都府城陽市。中世からの名が今も残る枇杷庄(びわのしょう)。槇島城から敗走する義昭は、この地にたどりつきました。
京から追放された義昭は、河内、紀伊へと流浪を続け、その後、備後国(びんごのくに)・鞆(とも)の浦で再起を図るのです。


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