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人はどうして恋をするのか。[内なる男性像編]

クリスマスにもなりました。
放浪中なのでゲストハウスにいます。
やはりこの時期に一人旅をする人には
何か訳があるという方もよく現れます。

今回はどうして人は恋をするのか。
ユング心理学的な角度からそんなことを紹介していこうと思います。

ユングの内なる異性論


ユングは、誰しもが、心の内側に異性像を持っていて、その内なる異性像を外的の誰かに投影して恋が起こると考えました。

男性の場合は、自身の内側にいる女性像をアニマと言います。
女性の場合は、自身の内側にいる男性像をアニムスと言います。

この自身の中にある異性像を外側のAさんやBさんに投影して恋をしてると見ます。

そしてこのアニマとアニムスには成長段階があります。今回はアニムスを解説していきます。(主に女性の中にいる男性像の話です。)
これを考えたのはユングのパートナーのエンマユングと言われています。自身の経験や多くの女性の意見を集めて培われた考え方と見れます。

[一段階目] 力のある男性像

この段階では、まず肉体的な力の強さを求めます。一般的に女性は肉体的な筋力が男性より少ないため、生きていくためには、守ってもらう意識があるとされます。そうした生存本能的な要素も、ここには強くあります。
小学生の時に足の速い男子がとても人気になりませんでしたか。小さい時頃や若い時ほどこのアニムスの必要性を感じるので、肉体的強い人に惹かれます。

力のアニムスの具体例を挙げるなら
重いものを持つ人、生命力のある人、足の早い男子、スポーツ選手、不良、筋肉質、力強い容姿などが考えらます。

[二段回目]意志をある男性像


肉体よりも少し精神性よりになります。この段階だと実行力や仕事のできる人に惹かれます。

(具体例)
職場の活躍する人、英雄的な人、勇ましい人、自身で物事にチャレンジする人、目標定めて努力する人、前に進もうとする人などが考えられます。

[三段回目]言葉の巧みな男性像

論理的な思考や説明ができる人や知恵や論理を与えてくれる存在に惹かれます。

具体例を挙げると
丁寧に物事の成り立ちや仕組みを教えてくれる人
どれも言葉巧みに人を説得できる人、
論理的な思考で解決する人
上司、先生、哲学者、科学者、哲学ある経営者などが考えられます。

[四段階目]叡智のある男性像、意味を与える人。

世の中の深淵さを解く人や物事に意味を与えてくれる人に惹かれます。
生きる意味を与えてくれる男性像になります。
人間はどうして生まれてきたのでしょうか。生きる目的とはなんなのでしょうか。その答えを深く悟っているような深遠な人に惹かれます。


宗教家に投影する人も多いです。
お坊さん、仏像、イエスやブッダ、宗教家、仙人みたいな人、達観してる人、慈愛のある人、相談相手などが考えられます。

この辺をわかやすく例えると
養老孟司さんみたいな感じの雰囲気
ハリーポッターのダンブルドア校長
みたいに考えられます。

個人的に思うこと

具体的な男性像から、どんどん抽象的な男性像に変わっていきます。男性像はどんどん父性性を帯びるようになっていきます。

自身を内省しながら恋愛経験をしていくうちに、内なる異性像が成長していくのは確かだと思います。相手に求める比重が抽象的な要素に変わっていくのだと思います。

しかし成長段階と捉えると成長してる男性像の方が良いと決めつけてしまいがちです。

今にも自分が危ない目に合いそうな時は
力のある男性が役に立ちます。ヨボヨボの仙人じゃ助けにならない時もあります。

また人生について深く悩んでる時は
意味を与えてくれる男性が役に立ちます。
マッチョな男性に、努力が足りないと言われても納得できない時もあります。

このように場所や状況によって必要とする人は変わっていきます。なので段階が上の方が優れてるとは一概には言えません。

ただ段階を出す意味として一つ言えるのは、
上の段階は、経験していかないと意識できないという話になります。

例えば、足の速い人が好きな少女に、仙人のような達観した人の良さが分かるでしょうか、

クリスチャンではないのですが、研究のために、教会などに行きます、すると子供が暇そうにしてます。多くの子供は、聖人のような抽象的な人物には興味を持たないでしょう。

そしてもう一つ言えることは、
自身がこの要素を獲得して使えるようになっていけば、他人にそれを求めなくなっていきます。

最後に

この文章を書いていて何が言いたいかというと

人間、失恋したり異性関係で傷つくことも多くあります。ただ、その失恋は、自身を成長させる良い機会だとも考えられます。厳しい経験も少し前向きに思えるのではないでしょうか。

私自身のこのユング心理学を学んで
恋という、とても世俗的なものが、最終的には神聖なものへと繋がる経路になりうるのかと、とても感動した覚えがあります。

こうしてみると、人間は何のために生まれてきたのでしょう。少しその答えに気づけるような気がしますね。

男性版のアニマについても近いうちに書きます。

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