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問答無用の唱和推進

得度式

得度(とくど)とは僧侶になるための儀礼で、浄土真宗本願寺派では、得度考査と講習会2日間を受け、その後に11日間の研修合宿を経て受式します。2023年より「新しい領解文」の唱和(暗唱)が必須になりました。教義的な指摘・批判を解決しないままに、次代を担う僧侶たちへ強制的に覚えさせて唱和することに憤りを感じます。

住職補任式

住職補任式とは、住職としての本分をつくす旨を仏前に誓約し、ご門主より任状を受け取る儀式です。京都・本願寺にて、住職候補者と責任役員(総代)が参加し、1泊2日で初日は研修、2日目に補任式が行われます。ここにおいても、新しい領解文は必須となりました。

坊守式

坊守(ぼうもり)とは、住職と共に寺院の教化、運営、管理を担う人です。こちらも住職補任式と同様に1泊2日のコースで研修と受式を行います。

伝道院

伝道院は、本願寺派の布教使(仏教を教え広める人)を養成する機関です。全寮制コースでは、100日間、さまざまな講義と研修を受けます。2023年後期(1月23日~)から「新しい領解文」を毎日唱和するようになりました。受講生に対して事務局(僧侶養成部)から「疑問に思うことがあっても批判はしないでください」と忠告があったと報告を受けた。

※この記事の公開時は上記の箇所を「受講生に対して講師から」と記していましたが、情報提供者に再確認したところ、講師ではなく事務局の言葉であったため訂正しました。別の情報では「疑問を投げかけることは構わないが、そこを通り越して宗派批判には至らないようにしてもらいたい」というニュアンスであったという指摘もありました。いずれにしても講師の方々には大変失礼いたしました。お詫び申し上げます。


僧侶養成機関

以下の機関に関しても「普及にかかる具体策」のとおり、毎日1回の拝読、唱和されていると聞いていますが、直接現場の話は聞いておりませんので、ご存じの方はご連絡いただけるとありがたいです。
thinkout.ryouge@gmail.com

勤式指導所
勤式指導所(ごんしきしどうしょ)は、お経の唱法や作法を学ぶ機関です。

中央仏教学院
浄土真宗本願寺派の僧侶を養成する専門学校です。

東京仏教学院
浄土真宗本願寺派の僧侶を養成する専門学校です。


安居

2023年の安居閉繙式において、次年度の本講師や会読論題の発表が見送られました。


公聴会

宗派の方向性を説明し、一般寺院からの意見・提言を聞くための会。宗派からの説明は45分の映像で伝えることになっています。また、基本方針に据えている「新しい領解文」についての発言は、別途学習会を開催するため受付けないとしています。


全寺院へポスター配布

郵送費をかけて返却した組や寺院もあります。

全寺院へ広告記事掲載の中外日報を郵送

中外日報広告紙面

全寺院へ書籍郵送

このたびお示しになった、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)は、わかりやすい現代の言葉とともに、七五調に語調が整えられていることで、自らが口にかけながら、リズミカルで聞きやすく耳に入ってきます。
(文章:満井秀城)

新時代の浄土真宗より

新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)の普及にかかる具体策

①慶讃法要について
・宗派公式WEBサイト、宗報2月号等で周知
・慶讃法要の参拝のしおりに消息全文と唱和用の掲載
・拝読、唱和を組み入れた慶讃法要御堂プログラムを策定
・布教団連合との連携のもと、布教使へ内容理解を図る
・記念布教講師、白洲布教講師、教区における法要行事特命布教講師への内容理解を図る
・教区、組、直轄寺院、直属寺院における法要行事に際し、プログラム中に唱和を組み入れるよう通知
②各種発行物・掲示物等への掲載について
・本願寺新報2月1日号、宗報2月号、宗派WEBサイト等に掲載
・各宗務期間及び組事業所を通じて全国寺院に配布する
・日常勤行聖典の再販までの間、用紙を挟み込み販売
・聞法会館に消息全文を掲示
・中央宗務期間から発行の冊子等の掲載物、各種会議や研修会等のレジュメ、研修冊子等の資料に掲載するよう指示
・地方宗務機関に普及策を企画検討し実施するよう指示
③解説・普及本、物品等の頌布について
・本願寺新報2月1日号に勧学寮による解説を掲載
・本願寺出版社からわかりやすい解説本等を頌布する
・本願寺出版社から物品を頌布する
④宗務所朝礼について
・1月17日の宗務所朝礼から拝読、唱和している
・地方宗務機関における朝礼で必ず拝読、唱和するよう指示
⑤学習会の開催
・全国教区、沖縄特区での学習会を開催し中央宗務機関から講師を派遣する
⑥その他
・得度式や御正忌報恩講法要での改悔批判は、内局において検討、協議がなされる
・僧侶養成機関(仏教学院、習礼教習所、勤式指導所、布教使過程等)において、毎日1回の拝読、唱和を徹底する。また、カリキュラム内に内容理解をはかる講義を設ける
・教化団体の各種会合等において、拝読、唱和するよう徹底を図る
・龍谷総合学園加盟学校に対して、教職員を対象に研修会等の開催を要請
・宗務科の学生生徒に対し、内容理解を図り拝読、唱和するよう要請
・「仏教」や「宗教」の講義において内容理解を図るよう要請する。なお、「私たちのちかい」については引き続き学校行事や日常仏参等で唱和し講義において内容理解を図るよう要請
・次回の宗勢基本調査(2026年1月)において、寺院行事での唱和100%をめざし、さらなる周知に努める。

新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)制定の経緯と普及についてより抜粋

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