研究室落ち中流建築学生の日常5

BEEAH本社
Zaha Hadid Architects の作品。
砂漠の起伏をそのまま建築にも適用した作品。
中東、北アフリカなど周辺地域の持続的な発展を目指して設計された。

意匠系建築学生の何割が建築家になりたいと考えているのだろう。少なくとも過半数は建築家を志しているのだろうか。そんな中でも建築家として独立し生計を立てれるのはごく一部。いくら中流大学とはいえその現実は変わらない。もし仮に建築家になれたとしても名を残すような建築家にはおおよそなれないだろう。

そんなことを建築を知れば知るほど思い知らされいつしか建築家になりたいということはできなくなった。まして研究室に落ちるような自分が大成するとは自分でも思えない。そんな過程を経ていまはいろんな収入口を得れるよう様々なことに手を出している。いくら時間があっても足りないほど新しいことを学ぶのは楽しい。

だが今一つのジレンマが生じている。意匠系建築学生の価値評価基準は「設計ができるかどうか」でありそれ以外の努力は学生生活には全く還元されない。実務を伴わない基本設計の思考実験を積み重ねることにはおおよその人にとってただの自己満足で終わるように思う。せめて専門性を身につけられればいいのだが意匠系建築学生はその曖昧さに甘え続けているように思えてならない。だからこその多様性だと思って行動するのだが認めらるはずがないから承認欲求は満たされない。

自分の論理の正しさと環境にとっての正しさが一致しないこの状況は解決できるのかと自問自答しながら今日も帰路に着く。

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