Interbrand主催「変わる、顧客の意識」レポート
Interbrand主催のオンラインセミナー「変わる、顧客の意識」の参加したので、備忘録的にレポートを残しておきます!
テーマは、全4回の「新型コロナウィルスにより変わるブランドの世界、変わらないブランドの世界」シリーズの第1回です。
ポストコロナでブランドはどのような変化が求められるのか?そのヒントにしたいなと思っています。
結論:不確実性がいつにも増して高まっているので、顧客への傾聴をより深く、早く行おう。
概要
新型コロナウイルスの危機により、消費者の意識や行動は変容を迫られています。今後の経営判断は「Customer Centric」がますます重要になっていくでしょう。「生活者の深層心理を知る」ために何から始めるべきかをご説明いたします。
(ツールは珍しくzoomではなく、ciscoのwebexでした笑)
インターブランドについて
インターブランドは、本拠地ニューヨークの世界最大のブランディング専門会社。日本拠点は約100名。
ブランドとビジネスの両方を成長させることをプロミスとしている。
ブランドが実現する効果は、評判を高めるにとどまらず、社員と顧客に影響を与え、経済的に価値を与えるもの。ブランドとは、常に変化する事業資産。
インターブランドでは、ブランド価値を金額換算する評価手法を開発。世界、及び日本国内のトップ100のブランドランキングを発表している。
ブランドの環境分析→ブランド戦略構築→クリエイティブ開発→ブランドマネジメント&コミュニケーション を一貫して。
C Spaceは、グローバルインサイトとソリューションをもつカスタマーエージェンシー。オンラインコミュニティ、データ分析、共創などよってカスタマーによりそったアクティベーションサポート。
今回のテーマ。
顧客の生活が変化するにつれて、ブランドと顧客の関係も変化する。顧客にとって「そこにいること」は、生涯に渡る関係を強固にする。
ポストコロナに向けて今のうちからブランドとして備えるべきこと、やるべきことは何か?
Part1.With/Postコロナにスムーズにビジネス回復するためのポイント
Part2.予測不能な状況が続く中、顧客意識をどう捉えて経営判断にいかしていくか?
Part1.With/Postコロナにスムーズにビジネス回復するためのポイント
パンデミック下における消費者意識の変化
・この危機において消費者は共存してくれるブランドを求めている
・これまでにない特異な状況下での購買行動にさらされている。日常的な購買行動の混乱が、新しい商品を試す機会にもなっている。
・新しいルーティーンを取り入れ、学びながら変化している
経営判断は、よりCustomer Centricへ。
危機が続くほど、新しい習慣が根付く可能性が高くなる。顧客の好みの変化は、発生前の標準に戻る可能性は低い。
ある企業を他の企業よりも選ぶ、より不快感情的な理由を理解することは、異形行動の指針や次の打ち手のヒントになる。
需要は変化の機会にあり、新たな潜在的な欲求に繋がる可能性がある。
一方、企業側の取り組みをみてみると...
たとえばディスニー。
自宅に籠っている家族を元気付けるためにFrozen2を予定よりも早くストリーミング配信開始。困難な時期にいくつかの楽しみと喜びで家族に驚きを提供するために行った。
たとえばSAP。
SAPは世界をより良くして、人々の生活を豊にすることを非常に明確な目的を持って設立。
オンラインビジネスツールのプラットフォームとして、コロナウィルスに関する総合的なサービスを新たにアップデート。サプライチェーンへのサポートも無料で展開。
Part2.予測不能な状況が続く中、顧客意識をどう捉えて経営判断にいかしていくか?
変わらないブランディングの視点と、変わるブランディングの視点の2つで考える。
変わらないブランディングの視点
そもそもブランド構築の視点は、
BE IT:ブランドならではのプロミスを定義する
DO IT:そのプロミスを具現化する事業実態を創る
SAT IT:その事業実態をターゲットに対して十分かつ効率的に伝える
の3つと考えている。
変わる、ブランディングの視点
1.変わり続ける、顧客の意識。
今後、平常時に戻ったとしても顧客の意識はコロナ前には戻らないだろう。
2.より差が出る、企業の行動。
よりパーパスが明確な企業ほど、スピーディーに顧客に訴えうる行動がとれる
BE IT、DO IT、SAY ITにくわえて、「KNOW IT」がより重要になる。
将来の消費行動は現在の消費者意識の延長にある。いかに変わりゆく消費者意識を適切に捉え、経営判断にいかしていくコク客中心手具を実現するか?
では、KNOW ITをどのように実践していくか?
今、なぜ顧客中心主義なのか?
・技術のコモディティ化/同質化
機能的価値はすぐにコピーされ、追従されてしまうため、他社との差別化に不十分
・変化のスピードが加速
消費者の期待は刻々と変化する。ネット、SNSで変化は速まっている。企業もアジャイルに対応していくことが必要。
・価値観の多様化
SNSによって顧客の価値観や嗜好は多様化している。もはや「マス」マーケによる成長は限界。「スモールマス」ともいわれるような特定のターゲットの心を確実に捉えていくことが必要。
カスタマーセントリシティの罠
顧客のニーズにひとつひとつ対応していても、カスタマーセントリックな商品やサービスは生まれない。
お客様の声を聞くだけではなく、ブランドがビジョンをもって、顧客の期待を超えていくことが必要。
不確実性の時代における、カスタマーセントリシティ
コロナ危機に対して、工夫をしようとはしているけれども、気持ちの準備ができていない状態。
今、「シンプルに生活すること」が見直されている。
単純作業や素朴なことにたのしさ、豊さを見出す。
最もベーシックなニーズを満たすことが最優先されている。
食事や睡眠、大切な人と過ごす、など。
変わらない暮らしを続けるために様々な方法を試している。
1日のスケジュールとエクササイズのルーティーンを始める。閉じ込められたと考えるのではなく、準備時間と捉える。
小さなことが自分をいかに支えているかに気づく。
今は、安全欲求や生理的欲求さえもが脅かされている時代。そのなかで、ブランドがどのような行動をとっているかに関心があり、話題にすしている。
1.従業員を守るためのアクション
2.顧客を守るためのアクション
3.顧客へのサービス提供
4.社会への貢献
コロナ前後で、人々の価値観と行動はどう変わるのか?
①衛星・清潔観念の変化:
目に見えないウイルスから日々身を守ろうとする経験を通じて、人々の衛生観念や清潔さに対する感じ方が変わる。
②絆とコミュニケーション:
在宅時間が増加し、家族の在り方が変わる。テレワーク の浸透により、企業内コミュニケーションや社員同士の関係性が変わる。
③娯楽・余暇:
エンターテインメントの存在意義が変わる。モビリティの役割が変わる。
④消費行動や購買要因の変化:
生活必需品に対する重視度が高まる。生活を見直し、本当に必要なものを見極めようとすることにより、商品選択の基準が変わる。
重要なのは、顧客は常に変化していること。それがどの程度の時間軸で、どのような経路をたどっていくのかはまだ誰も知らない。
顧客は、調査対象ではなく、事業成長パートナーとして。
企業のそばに常にある、あたためられたブランドコミュニティがあるとよい。事業の企画・実行のあらゆるプロセスにおいて、常にアクセスできる生活者をおくことにより、生活者の想いを深く知り、生活者の期待を超えるカスタマーセントリシティを実現しよう。
所感
事例も踏まえながら、顧客中心主義について頭の整理ができました。
ただ、質疑応答などの時間があまりなかったので、ちょっとウェビナーとしてはちょっともったいないな、、、と思ってしまった。
最後までお読みいただきありがとうございました! サポートいただいた金額は、さらなるインプットにあてさせていただきます。 今後とも何卒よろしくお願いいたしますm(__)m