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音声配信をはじめた理由について

インタビューの音声配信をはじめました。

名前は「ダイアログ・ジャーニー」。対話と音楽で旅をする時間です。ダイアログ・デザイナーと名乗りはじめてから、「対話の魅力を伝えたい」と思い、少しずつ動きはじめていました。仕事では、普段からインタビューをして記事にするということをやっています。インタビューはおもしろい。因数分解するように言葉に収斂して、文章としてまとめたものは質量が高くて魅力的ですが、そもそも「インタビュー」の中で行われているやりとりがぼくは好きで。そこに漂う空気感や、思考が蓄積されていく工程は愛おしいものです。

そこで、オンラインCafeBarDonnaや教養のエチュードTalkで「公開インタビュー」としてその空間や時間を共有することにしました。あれは6月のことですね。参加していただいた人にも喜んでいただけるようなコンテンツとなりました。ベースは「インタビュー」にあるのですが、仕事の時よりもほんの少し「対話」に寄ったコミュニケーションを意識しました。

良きインタビューは、良き空気から生まれます。インタビュイーが心を開いてくれることも、ぼく自身が良いパフォーマンスができるのも、そこに漂う「空気」が大きく影響をする。そのような意識から、8月に入り、「空気の研究」をはじめました。音楽によって魅力的な対話を引き出そうという試みです。

短い期間に7回、「DJ Night【空気の研究】」と題したオンラインCafeBarDonnaを開きました。トラックメーカーのカジサキモトキとアイデアを出し合い、仮説と検証を繰り返していきます。音楽は情動に働きかける力が大きく、さらには沈黙にまろやかさを与えてくれます。話者も「話しやすく」なり、建設的な対話(時にドラマティックな)が生まれました。

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ぼくはダイアログ・デザイナーとして「対話」の魅力を広くへと伝えていきたいという想いがあります。オンラインCafeBarDonnaでは、一度に参加できる人数が限られる。もちろんそのクローズドな空間は僕が目指していた場所でもあります。

加えて、「公開インタビュー」という形式にすると、ギャラリーがいるためにぼくもインタビュイーもある程度の緊張感を持たなければなりません。それは何を意味するのかというと「沈黙を避けてしまう」という姿勢につながります。もちろんインタビューさせていただく方々は普段から思考が深い方ばかりなので、ユニークな言葉でみなの心を惹いてくださるのですが、「立ち止まって考える」という色っぽい思考をどうしても省いてしまう。とにかく目の前の「それらしい答え」を出して、次の展開へと進めることになります。その場の判断としては正解ですが、ぼくにはもったいないと感じてしまいます。

この二つの理由を一度に解決できる方法が音声配信でした。心地良いアンビエントミュージックを流しながら、ゆったりとした「間」で対話をして、旅をする。音楽が対話に与える影響を試験できますし、沈黙に色気を孕ませることもできます。ディレクションして作品性を高めれば、コンテンツとしていつでも楽しんでもらえます。

その人の人生や思考を、詩的で、音楽的なものとして。ダイアログ(対話)をデザインするとはどういうことか。そして、インタビューの魅力を提示し、広める役割として。そのような想いがあります。

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ぼくはYouTubeで「教養のエチュード」というインタビュー動画も配信しています。ただ、顔出しで出演できる人も限られるし、映像になると音楽の力がどうしても弱まってしまいます。「対話」と「音楽」を効果的に表現するには音声配信が最良の手段でした(インタビュー「教養のエチュード」の方も継続します)。

ダイアログ・ジャーニー【空気の研究】最初のゲストはマリナ油森さんでした。わけあって、インタビュー時は音楽を流さなかったのですが(編集時に音楽を加えました)、マリナさんとチルな時間を共に過ごすことができました。「ゆったり」「まったり」を意識すると、流れる時間は詩的になります。


ライフワークとして続けていくことができればと思っています。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。