人にはそれぞれの品格があって然るべきだ。
「品格」とは、厳かさや品位のこと。礼節と教養ある振る舞いができる人を指す。ただ、それは誰の基準によるものなのだろう。おそらく一般的な価値観の中における「品格」だろう。つまり、“常識”と呼ばれたり、“品格がある”と認知されている人が決めた価値観に則った「品格」のこと。
そのような狭苦しい考えは一度捨ててほしい。社会における常識やあたりまえ、あるいは閉鎖的なコミュニティの価値観で「品格」を語ることは豊かであるとは言えない。「品格」は個人にて定められるべきだ。
多くを語らずたおやかな振る舞いをする人の品格もあれば、汗をかきながらことばを尽くして情熱を注ぐ人の品格もある。正直者の品格もあれば、ホラ吹きの品格もある。革命家の品格もあれば、長い物に巻かれたい者の品格もある。
つまり、「品格」は人それぞれ。己の哲学や美学に、どこまで誠実でいられるか。嘘をつけば舌を切られるという場面でも、嘘をつききることができるかでホラ吹きの品格が試される。
「品格とは」を考える時、社会のルールやコミュニティの価値観は一度忘れて、「自分はどうありたいのか」をピュアに追求する必要がある。その軸がなければ、品格はない。他人の決めた“あたりまえ”に、疑問さえ抱かずにひれ伏しているのは、少し違うのではないだろうか。
一人ひとりに品格があって然るべきであり、生きる中でそれを高めてゆくことが大事なのだと、わたしは思う。一つだけ言えることは、己の品格を磨き上げた人間の文章は魅力的だということ。社会の規律や道徳は関係ない。文章は、品格が現れる。
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