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「読むこと」は教養のエチュードvol.17

2020年を迎え、僕からプレゼント。全ての作品を紹介させていただきます。結果発表はその後。みなさんが送ってくれた僕宛の手紙にお返事を。「わたし」と「あなた」がつながる。それはコンテスト開催の応募要項に書いたことの証明。

このコンテストにおいて、僕は「最良の書き手」でありながら、「最良の読み手」であることに努めます。

それでは、『「読むこと」は教養のエチュード』のvol.17です。



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113.スターウォーズが好きだ 

みつるさんの作品。スターウォーズへの「好き」をふんだんに書いてくれました。noteで何かを書く時の一歩目というのは、「好き」についてですよね。誰しも「好き」を語る時、熱が上がります。言葉が溢れます。「伝えたい」という気持ちが生まれます。その力は、読み手にも十分伝わってきます。そこに共感が生まれると、さらに書きたくなります。そして、もっと「伝えたい」という気持ちが高まります。そこから言葉選びを考えたり、表現を工夫したり、構成について頭をひねるようになります。そうやっていくうちに、いつの間にか文章は上達しています。

「伝わる」って楽しいんです。共感すると、なぜか笑顔がこぼれます。人ってコミュニケーションでお互いを確かめ合いながら、認め合いながら、生きる力を得ていく生き物なんです。だから「伝えること」をこれからもやっていきた。「伝わる」すばらしさを、伝えていくことができればなって。

そんな初心を思い返させてくださり、ありがとうございました。


114.勤務を続けること57年、ようやくの「お疲れさま」~父とのこれまで~ 

かわせみかせみさんの作品。退職を迎えるお父様との思い出の数々。こんなnote、娘からもらったらもう涙が止まらなくなるなぁ、と。不思議と父目線で読ませていただきました。特にね、かわせみさんがNYで挙式をあげた時にお父様が短歌を74首書き連ねていたのですが、もう、あれを読むと胸がいっぱいになります。

お父様の人柄を。そして、お父様を通して、かわせみさんの人生を味わわせていただきました。こんな親子、理想的だなぁ。

note書く人は手紙を書いたらいいですよね。特に身近な人に。絶対に喜ばれる。



115.大晦日の空 

Luluさんの作品。2019年の大晦日。最後にこのコンテストの応募で締めてくれたのが何よりうれしいです。おいしそうなジェラートとタコ焼き、そして夕焼け。

僕は何をしていただろうか。ずっと文章を書いていた気がするなぁ。締切に追われてずっとパソコンに向き合っていました。夜になってようやく友人の家へ行き、年越し。大晦日にはいろんな人の、いろんな物語がある。

その最中に、自由について綴られた言葉。群像。それぞれの人生が行き交う交差点で「生」を感じる。無駄は、命を、繋ぐ。


116.ガキ使と美容室と高校の僕 

Inacaさんの作品。あらゆるものには因果があり、その縁の感じる喜びが人生なのではないかと思います。ふとした出来事も、それは何かに繋がっていて、それが気付く時もあれば、気付けない時もある。今はまだわからなくとも、数十年後にわかることだってある。全ての物事に意味があるというのは、本当にその通りだと思います。そして、その物事は、自身の工夫によって良い方向へ向けることができると僕は思っています。自分の力だけでは変わらないものも多いとは思いますが、「あそこへ行きたい」という意志表明をするだけで、周囲が変わる。その時はダメだとしても、エネルギーのベクトルだけは意志の力で決定できるのです。それはとても大切なことだと思います。



117.「親に逢うては親を斬れ」from臨済宗

球磨川みなとさんの作品。力強い言葉。そこには明確な意志があります。創作の源泉は人によってそれぞれで、それはその人のアイデンティティ。事実と向き合い、現実と向き合い、己の中で真実を見出した。そのような表明を感じます。


118.【超短編】 書店アルバイトが本気で勧める小説 

秋さんの作品。戯曲の形式。前回の作品も風変りでおもしろかったです。たしか、異国の言語が混在するような内容で。今回も異国の言葉が登場して、そのヴィジュアルの心地良さを楽しませてもらいました。とても映像的な物語をお書きになります。

僕にも仲の良い中国人やフランス人の友人がいるのですが、みんなで集まった時にいろんな言葉が飛び交うんですね。言葉の意味はわからないのですが、あの空間がとても好きで(雰囲気でだいたい何を言っているのかはわかります)。だから、「ああ、人って〝分かろう〟と思ってコミュニケーションをすると、意外と通じるものなんだな」と思った記憶があります。

それは言語にしてもそうですが、表現にしてもいい得ることができるなぁ、と。そのためには「わかりたい」と思ってもらえる状況をつくる必要があります。そう思ってもらえることに成功すれば、少々、理解し難い表現でも一生懸命相手が考えてくれる。まずは土台が大切なのだと、そういうことを考えさせていただきました。



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さて、これにて全作品を紹介させていただきました。最初128作品と言っていたのですが、数名の方が複数作品を応募していたので、1作品に絞らせていただきました。計118作品です。

これで、僕からのプレゼントはおしまいです。みなさん教養のエチュード賞にご応募していただきありがとうございました。心より感謝しております。

結果発表ですが、1月31日の夜を予定しております(時刻は未定)。それではどうぞよろしくお願いします。



▼「読むこと」は教養のエチュードvol.16▼


教養のエチュード賞に参加してくださったみなさまへ、僕からお願いが一つだけあります。どうぞよろしくお願いします。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。