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ヤマシタマサトシ論

ヤマシタマサトシさんから有料記事をプレゼントしていただいた。


このツイートに手を挙げると、言葉通り4本のnoteが届いた。どれもこれも中身が濃い。そして、そのどれもが「今の僕にとって大切な内容」だった。きっとヤマシタさんは、今の僕に必要な武器を、一つひとつ選んで、贈ってくれたにちがいない。


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僕が抱いているヤマシタさんの印象は、ざっくり言うと「質の高い文章をたくさん書く人」。たくさん文章を書く人はいる。質の高い文章を書く人もいる。でも、その両方を兼ねている人はなかなかいない。

ヤマシタさんのnoteにはいつだって「今日から役立つこと」が書かれている。そこには課題の発見解決策が美しく並ぶ。その光景は僕をわくわくさせるし、場合によっては励ましてくれる。


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ヤマシタメガネ

ヤマシタさんのnoteはメガネみたいだ。それをかけた瞬間、世の中の映り方が変わる。ぼやけていた場所に焦点が合う。くっきりとした風景に新しい可能性を感じる。

「モヤっとしている」ということは世の中では「まだ言語化されていない」ということ。言語化されていないものは「まだ価値化されていない」ということ。

ヤマシタさんは、その「モヤっ」をうまく言語化してくれる。僕たちはその「モヤっ」とした感覚だけを知っているから、ヤマシタさんの言葉と出会った時に、のんきに「そうそう、そうなんだよね」なんてことを言ってしまう。

ヤマシタメガネは「モヤっ」に価値を与えてくれる。

人間は都合のいい生き物だ。ぼんやりとした違和感でしかなかったはずなのに、形になった状態で目の前に出された瞬間「そうそう、これが知りたかったんだ」なんてすぐに言ってしまう。その課題について昔からずっと気にかけていたみたいにね。

優秀な書き手は、読み手をいたずらにびっくりさせない。まるで「自分が気付いた」かのような思考の導線を、読み手の頭の中にデザインする。とてもナチュラルで、とてもやさしい。

そういう意味でいうと、ヤマシタさんは優秀な書き手だし、とてもやさしい。そして、それはみんな知っていること。


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言葉がていねいで、読みやすく、わかりやすい。文章の並びを絵的に見ても「きちん」と整理されている。風通しがいい。彼はいつだって、読み手に負担のない分量で届けてくれる。常に読み手側に立って、隣にいる僕たちにメガネを手渡ししてくれる。それはそれは親切に。

有料記事を読んで、ヤマシタさんの文章の秘密がわかった。文章の風通しのよさ。するりと最後まで読ませる文体。「ことば」のかたち。それはデザインの力。デザインの考え方が練り込まれた表現。

この心地良さは、全て計算の上に成り立っていた。



ことにこのnoteは大きな価値がある。ここには誰にでもできることしか書かれていない(それを続けるということが最も難しいという問題は置いておいて)。「ある程度のスキル」がある人にしか使いこなせない情報は、「ある程度のスキル」のない人にとっては価値がない。このnoteはあまねくクリエイターに価値をもたらす。

「書かれたこと」をやればアウトプットの力がつく。ここで培われた基礎体力はあらゆる表現で応用可能だ。デザインの筋トレは「観察」だ。バラバラに分解して、それぞれのパーツを観察し、もう一度組み立てる。繰り返していくと、世界の見え方がわかってくる。

勘のいい人ならおわかりだろう。「ヤマシタメガネ」は彼の思考・観察・体験の蓄積によって手に入れた最強の武器だ。世の中の見え方が変わる。問いの立て方に気付く。形ないものに輪郭を与える。

その能力はこんな場面にも現れる。


ヤマシタさんは月に一人、イチオシのnoteのクリエイターを選出している。まだ世に出ていない人を掘り出す才能はすごい。ヤマシタさんには見えている。その人のコアにある才能、未成熟のポテンシャルを含めて。

何が足りないか、何が余計なのかがわかる。プロデューサー的な視点はデザイン思考によるものだ。「モヤっ」に価値を与える。彼の中で起きた違和感はデザインの力で解決されていく。



世の中の見え方を提示するだけじゃない。「モヤっ」に価値を与えるだけじゃない。ヤマシタさんは、お腹が空いた僕たちに魚を渡すのではなく、釣竿を渡す。腹を満たすモノでなく、自分で満たす方法をていねいに教えてくれる。




いかなる方法であれ、常に誰もができる一歩目を用意してくれている。とてもやさしい。確実に上達する方法が書かれてある。やるか、やらないか。それは、読み手の問題だ。


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僕にとって、この4本のnoteは大きな価値があった。自分に〝今〟足りない力がよくわかった。明確な課題も見えた。文章を書くだけでなく、読む時のヒントにもなった。きっと成長する。みんなが「本当だ」と思えるくらい成長したら、ヤマシタさんにやってみてほしいことがある。


勝手に提案

定期購読でもなく、記事の単発販売ではなく、今回のようなセット売りをしてほしいです。それも、ヤマシタさんがその人に合わせてセレクトしたnoteを(僕にしてくれたように)。ヤマシタさんが優秀なキュレーターであることは説明したし、説明するまでもなくみんなが知っていること。

値段は僕が決めるわけにはいかないけど、3000~5000円とかで診断込みで4本くらい「その人が〝今〟必要としているであろう」noteを送る。ヤマシタさんのコメントも添えて。僕みたいに感想を書いたら1000円バックとか、お店のワンドリンクチケット(みんな会えるきっかけがほしかったりしてそう)とか、もう一本noteプレゼントとかで返してもいいと思います。

ソムリエ的な発想で、ドクター的にミニコンサルをしてほしいなって。ヤマシタさんの「セレクト」に価値を感じました。


視力を合わせてもらった瞬間、あれほど悩んでいたことがすっと解決してしまう。自力で目を良くするトレーニングより、職人にメガネをつくってもらった方が生活しやすい。

僕の「勝手に提案」はともかくとして、素敵なnoteを、そして素敵なセレクトを、ありがとうございました。少し遅れましたが、約束通り、感想文をお届けします。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。