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手紙でつくる未来

夜更けの風は、骨まで冷えますね。

あたたかい焙じ茶を飲みながら、この文章を書いています。あなたのことを想うと、寒さで硬直した筋肉がほぐれていくのがわかります。正確には、「あなたの思い描く世界を」と書くべきなのかもしれません。いずれにせよ、「あなたの思い描く世界」を想うことは、同時に「あなた」を想うことでもあります。「あなたの思い描く世界」には「あなた」がいる。

成功体験は自信になるし、失敗や辛い体験がその人の芯の強さになる。だから、人生というのは捨てるところがありません。様々な体験が、自身の中の共感の幅を広げます。負けたことのある人にしか、負けた人の気持ちはわからない。勝ったことのある人にしか、勝った人の苦労はわからない。あらゆる体験が、誰かにとっての雨風を凌ぐ「何か」になることができれば。そんな想いがあります。

今年は文章だけに留まらず、何度かお話させていただく機会がありました。あなたの聡明な視線と明るい笑顔が印象的で。話の中でイメージが広がっていくことが何より楽しくて。ぼくはもっとあなたとお話をしたいと思いました。実は、「一緒にこれをしましょう」と約束していたことがありますよね。今年は実現できなかったけれど、来年まで楽しみにすることが増えたと思って胸を躍らせています。

ぼくが何かをはじめる時はいつも、あなたは軽やかに現れて、ぼくの背中をそっと押して、あっという間にいなくなりました。その度にぼくの中で、あなたに対する感謝が蓄積しています。いつか、どうにかしてお返ししたいです。そのことについても相談に乗ってください。

ぼくは、もっとあなたと話をしたい。意味のあることも、意味のないことも含めて、たくさん話をしてみたい。そう思っています。あなたと話していると、自分らしくいられる。ぼくも誰かにとってそういう存在でありたい。そのためにも、あなたともっとたくさん話したい。

ここまで書いて、二月にあなたへ向けて書いた手紙を読み返してみました。

驚いたことに、そこにはぼくがこの一年で積み重ねてきたことのほとんどが書いてありました。今ぼくが〈対話〉をデザインしていることも、すべてここに書いた通りです。この時、既に今の自分を予想していたかのようです。

それは「この時から成長していない」ということではなく、「ここに書いたことを実直に形にしてきた」という意味です。それはぼくのかけがえのない体験です。

なんだか、とてもうれしい気分です。そして、とても不思議な心持ちです。この感覚をずっと味わっていたい。

今年は大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。




「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。