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もう一つの「わたし」

最近、本名じゃないアカウントで発信する人の気持ちがなんとなくわかってきた。いいよね、もう一つのなまえ。

もう一つのなまえは、もう一つのことばをもっている。だから、もう一つの思考だし、もう一つの人格だから。フルスイングでくだらないことも言える。何より、もう一つの「わたし」には締切がないのだ。

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じぶんが「じぶん」であることに疲弊する。じぶんが「じぶん」を消耗する。そんな時、もう一つのなまえにいのちを吹き込む。もう一つの「思考」はてくてく歩き、もう一つの「ことば」はごくごく水を飲み、もう一つの「人格」は一人でバスを待っている。もう一つの「わたし」が水たまりに文庫本を落とした。

ある日突然、勝手におしゃべりをはじめるもう一つの「わたし」。誰の許しも得ないで、おてんばの「わたし」。はにかむ「わたし」。山椒に舌がぴりりとする「わたし」。

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締切に追われる「わたし」から離れて、自由にくだらないこと話してほしい。という願望がふわふわふわと赤とんぼ。



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