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書いては、捨てる

書いては捨て、書いては捨てる。
ことばを紡ぎ、捨ててはまた、書き直す。

捨てられた言の葉は、やがて発酵し、腐葉土となる。
それは、肥しとなり、糧となる。
豊かな実りは、豊かな土によってもたらされる。
種を蒔き、水と光を注ぐ。
根を張り、芽を出し、茎を伸ばし、葉を広げ、花を開き、実を結ぶ。

書いては捨て、書いては捨てる。
時折、収穫しては、また書き直す。
循環が生まれる。

それは、豊かな土をつくること。
“書く”という行為の積み重ねでしか、到達できない場所がある。
誰かが望むものではないかもしれない。
人によってはがらくたに映ることだって。
だからどうしたというのだろう。

誰かのためではなく、自分のために。
だから、今日も。
書いては捨て、書いては捨てる。

言の葉の腐葉土は、鬱蒼とした微生物の香りを放つ。
血が湧き立つ。



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