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私たちとワンピース

赤澤えるさんがブランドディレクターを務める『LEBECCA boutique』がおわりを告げました。

ご縁があり、ぼくは最後の映像作品の制作に関わらせていただきました。幾度かに渡り、オンラインでえるさんにヒアリングをしました。彼女は、物語を紡ぐ人でした。世の中に服を届ける人である前に、服に物語を吹き込む人。物語が与えられた瞬間、服にいのちが宿ります。

えるさんのことばには力がありました。軽やかで、鮮やかな発想は、コンセプチュアルに楽しく。物語の断片たちは、踊るようにきらめいて。そこでの対話はすぐれたジャムセッションのようにこころを揺さぶりました。そう、えるさんにはそんな不思議な力がありました。

月のクレーターは、惑星同士がぶつかって生まれた傷だという。それを眺めて、人は「きれいだね」と言い合う。それならば、わたしのこころにできた傷もきれいに見せることができるはずだ。

作品とは関係のない部分ですが、印象に残ったことばです。えるさんは、いろんな話を聴かせてくれる中で、ふとそう言いました。彼女は、未来を描き、そこに希望の光をともす。

『私たちとワンピース』。この作品で、ぼくはシナリオを担当しました。このプロジェクトに関わることができて光栄です。

服をつくることも、それを届けることも、人とどういう関係性を築くのかということも、すべて同じ。一つひとつをていねいに。まるで、魔法をつくるみたいに。えるさんの生き方、つくってきたもの、紡いできた全ての物語に敬意を込めて。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。