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哲学ドルチェ

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毎日、コーヒーをドリップして飲む少しの時間だけ考えごとに耽る。その時、書いた文章を“哲学ドルチェ”と呼んでいる。決めごとは一つだけ。大そうな話はしない。たかだかコーヒーの時間であ…
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#哲学ドルチェ

コミュニケーションの一歩目

自尊心を保てていることと、相手に対して偉そうなことは違う。 自分への敬意は、相手を見下す…

SNSで生まれる対話

わたしが利用しているSNSは、主にTwitterとnoteです。 ここでの出会いが与えてくれたこころの…

人間は思考する、快楽は美しい

その編集者は、よく鼻毛を引っ張った。 どうやら、考えごとをする時に癖のようだ。ひとたび考…

リアルとリアリティ

“ずっと聴いていたい声”というものがある。 彼の場合も、最初にその声を聴いた時から、自然…

フォンダン・ショコラ

ここに来て、noteを更新するのが辛くなってきた。 連続更新をはじめて150日。「哲学ドルチェ…

妻は人気者

妻は人気者だ。 いろんな人からお声がかかる。彼女と話していると、心労が癒され、新しい発想…

正解の顔がわからない

仕事で出会った人に「note、読みました」と言っていただけることがある。 あのことばを言われた時の顔が、まだ確立できていない。うれしいのと、恥ずかしいのとで、照れながら感謝の気持ちを述べるに留まる。文章を読んでもらえることは、この上ない歓びだ。さらには感想まで添えていただけるとなれば、もうその一日は幸福に満たされている。それは、仕事での出会いだけでなく、このSNSという広大な海での奇跡的な出会いにも当然言えることで。文章を読んでくれたり、シェアしてくれる人に日々救われて生き

祈りとか、呪いとか

「人の話を聴く」という仕事をしているからだろうか。わたしの元へ、よく手紙が届く。 それは…

ただ、そこに居る

昔、演劇を勉強していたことがある。 脚本を書いたり、演出したり、舞台にも立った。自分とは…

さようなら

出張から帰ると、二番目の犬の様子がおかしくなっていた。 玄関の扉をひらくと、わたしたちを…

恐怖の在りか

とあるウィスキーのテイスティングイベントに参加したことがある。あるシングルモルトの限定版…

「お誘い」のお誘い

TwitterのSpacesで、自分がホストとなって対話型のインタビューをしている。 「対話パーティ…

Take it easy.

わたしには三つ年の離れた姉がいる。 彼女は、写真が好きで、十代の頃から世界中を旅してそこ…

4630

とある町役場で、4630万円を一人の男性の口座へ誤送金した事件が話題になった。 男性は振り込まれたお金のほぼすべてをオンラインカジノで使い込んだという。「考えられない」と世間は大賑わい。誤送金した町役場もそうだし、それを使い込んだ男性もそうだ。夢の中みたいな話だ。 男性は逮捕されたらしい。他人のお金に手を出したので仕方がないが、考えてみれば、そもそも“誤送金さえ起きていなければ”彼は逮捕されなかったのである。その間違いが発動しなかったパラレルワールドでは、男性は平穏な日常