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哲学ドルチェ

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毎日、コーヒーをドリップして飲む少しの時間だけ考えごとに耽る。その時、書いた文章を“哲学ドルチェ”と呼んでいる。決めごとは一つだけ。大そうな話はしない。たかだかコーヒーの時間であ…
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2022年6月の記事一覧

リアルとリアリティ

“ずっと聴いていたい声”というものがある。 彼の場合も、最初にその声を聴いた時から、自然…

フォンダン・ショコラ

ここに来て、noteを更新するのが辛くなってきた。 連続更新をはじめて150日。「哲学ドルチェ…

妻は人気者

妻は人気者だ。 いろんな人からお声がかかる。彼女と話していると、心労が癒され、新しい発想…

正解の顔がわからない

仕事で出会った人に「note、読みました」と言っていただけることがある。 あのことばを言われ…

祈りとか、呪いとか

「人の話を聴く」という仕事をしているからだろうか。わたしの元へ、よく手紙が届く。 それは…

ただ、そこに居る

昔、演劇を勉強していたことがある。 脚本を書いたり、演出したり、舞台にも立った。自分とは…

さようなら

出張から帰ると、二番目の犬の様子がおかしくなっていた。 玄関の扉をひらくと、わたしたちを待つ一番目と二番目。三番目はゲージの中から声を上げて呼んでいる。二番目のジュリア。焦点が合わず、からだを斜めに傾けて震えながら立っていた。歩こうとすると、バランスを崩して倒れた。抱きかかえると、左目が白目を剝いている。ぐわんぐわんと頭が揺れている。 数日前、ソファの上にいたジュリアが突然頭から崩れ落ちた。立ち上がろうとしてもバランスが取れずに立ち上がれない。わたしは驚いて、ジュリアを抱