スケールと戦略

「ゾウの時間 ネズミの時間」を読むと、島で棲息する動物たちのサイズが中庸となることが取り上げられおり、そのロジックが面白かったのでここを起点として考えてみたいと思います。

著者曰く、大陸の生物とは異なり捕食者の数が限られるため、大型動物はそれに対抗して身体を大きくする必要がなくなり、小型動物は捕食者の目をくらませる必要がなくなるから、サイズダウンさせる淘汰圧が働きにくくなるのだとか。

著者はここから得た洞察をアメリカと日本の違いに敷衍しています。
アメリカにはとんでもなく傑出した人物がいる一方、平均で見れば島国日本の方が優れていると言います。この本は30年以上前のものですが、今も印象は変わらないのである程度普遍性がありそうです。

これを、今度はそっくりそのまま経済活動に当てはめて考えることができそうで、自分が参加する市場のスケールによって最適戦略が異なることを意味しているように捉えても良い気がします。

つまり、市場が大きな業界ではビッグになるかビッグが取りこぼすニッチになるか、そのいずれかが最適となり、一方で市場規模が小さいのであれば、それほど極端なシフトを敷くことをしなくても、いやむしろ中庸こそが最適な戦略と言えるのかもしれません。

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