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【ほぼ140字小説】㊽

恨み骨髄

 男は元妻を憎んでいた。恨み骨髄だった。復讐さえ誓っていた。だが、男は病に倒れ、他人からの骨髄移植が必要だった。幸いにもドナーが現れ、男は一命を取り留めた。そのドナーが別れた妻だったことを、幸いにも男は知らずに生きている。それは互いにとって幸福なことだった。

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