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F・W・ムルナウ


F・W・ムルナウ

ドイツの監督です。1920年代に活躍した無声映画時代の監督です。

映画の可能性を追い求めた監督ですね。

「吸血鬼ノスフェラトゥ」「サンライズ」

この2作品はムルナウの名前を永遠に映画史にとどめる作品です。

ひとつめの映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」は1922年の作品です。

ある不動産屋の男が契約のため城に出向くんですね。実は、その城に住む貴族の男は吸血鬼だったんです。

男は吸血鬼に噛まれるんです。そして、男の妻も吸血鬼の夢にうなされるようになるんですね。

そして、妻に吸血鬼の影が忍び寄ってきます。

怪奇映画の記念碑的作品です。

なんといっても吸血鬼の造形ですね。CGのない時代です。ネズミを思わせる白塗りの顔。耳、指先がとがったその姿。

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ムルナウが創り出したこの造形、イマジネーションに拍手です。

2000年に「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」というアメリカ映画がつくられました。

「吸血鬼ノスフェラトゥ」に登場する吸血鬼は実は本物の吸血鬼だったというストーリーです。

それだけ真にせまる吸血鬼像をムルナウは創りだしたんですね。


ふたつめの映画「サンライズ」は1927年の作品です。

ムルナウがアメリカで初めて撮った作品です。

ひとりの青年がいます。田舎育ちの青年は都会の女に出会い、初めての香りに魅かれていきます。

女から奥さんの殺害をそそのかされるんですね。

今も昔も男と女の話に変わりはないんですね。

全編とおして映画の美しさに見とれます。

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主人公の男が、湖で行方不明になった妻を、照らされるランプの灯りを頼りに探すシーンの美しさ。

今ほど技術が機材が発達していない時代に、湖に照らされる幻想的な灯りを、試行錯誤してつくりあげたんですね。

また、移動撮影の技術がこの映画には盛り込まれています。それまでの映画、カメラは動かなかったんですね。カメラが遠くからゆっくり移動していき、街並みをぬっていき、通行人によっていく、カメラが動くようになった。

試行錯誤することはいつの時代も大切ですよね。

当時ドイツ映画は世界の最先端をはしってました。その技術をハリウッドは吸収していったんですね。

映画の未来を切り拓いたF・W・ムルナウ。
常に新しいことに挑戦したF・W・ムルナウ。

42歳の若さで交通事故によってこの世を去ります。

今の時代に存在していたらどんな作品を届けてくれたのでしょうか。

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