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心理的安全性の高い組織の実現で試される、リーダーとしての覚悟

先日、元大阪市長の橋下徹氏の講演を聞く機会がありまして、そこでチームの心理的安全性の重要性に触れられていました。特にテクノロジー界隈では最近広く認識されつつある概念かと思います。橋下氏は、言いたいことを言える環境を心理的安全性の定義の一つとして述べられました。そして、市長時代にどのようにそれを実現するべく試行錯誤されたかをお話しされていて、その話を伺いながら、僕自身も心理的安全性が高い組織を作る時においてリーダーとしてどういう心構えを持つべきかを考察してみました。

言いたいことを言える環境作りの難しさ

まず、言いたいことを言えるカルチャーを「本気」で醸成することはそう簡単ではありません。それっぽく実現してもまったく意味がありません。政治家の挨拶でよくあるような「私は聞く力がある」とか「言いたいことをなんでもいってくれ!」とリーダーが言ったところで、メンバーは馬鹿ではないので「はいそうですか」と苦言を呈してくれるようになるわけでは決してないのです。実際にリーダーが心からそれを実現しようとして、あの手この手で工夫して初めて少しずつ出るようになるものです。

建設的でない意見にどう対処するか

講演中、橋下氏は敵味方問わず意見を述べることが奨励される「大阪会議」なる会合について言及されました。その中で特に印象に残った言葉は建設的な意見だけでなく、批判的または非難に近い意見も出てくるが、それは仕方がないという部分でした。あの手この手で工夫して心理的安全性が高まれば、様々な意見が表明されるようになりますが、それら全てが建設的であるわけないのです。ただの非難や誹謗中傷としか思えない内容や、礼節に欠けるやり方で伝えられることも増えていきます。

橋下さんの講演を聞いてあらためて思ったのは、こうした受けとめるのが辛い意見は、心理的安全性を実現するために必要な「税金」のようなものだということです。「貞観政要」にも「時にリーダーには聞き流す力も求められる」と記されています。これは言うは易しで、根拠のない批判や揚げ足を取る意見、ネガティブな感情の発露を直接的であれ間接的であれ実際に直面すると、どんな人間でも傷つき、怒り、感情的になってしまうものです。僕も幾度となく経験してきました。「そんなこと言うんだったらもう知らん!」と投げ出したくなることもありました。

試される、リーダーとしての覚悟

しかし、リーダーの器というのはここで試されるなと思います。僕も常に試されてます。心理的安全性を本気で実現しようと思うなら、いろんな意見を言ってもらうしか方法はないのです。ただでさえ、会社が成長して組織規模が大きくなっていくと、いくらフラットなカルチャーだったとしても10人の時と1000人の時でリーダーに対してメンバーが同じ距離感・フラットさで接するのは不可能です。会社が大きくなればなるほど、言いたいことが言えるカルチャーでなくなる方向に働いていくのです。そこにどう抗うか?がリーダーの腕の見せ所なのかなと。

そういったことに考えを巡らしながら、批判や非難なども含めて「出てきてるだけありがたい」という気持ちでいこう、とあらためて思いました。
リーダーの視点でここまで書いてきましたが、最後に現在もしくは将来のFinatextのメンバーに伝えたいのは、僕はそのくらいの覚悟を持っているので、これからも遠慮なく、率直な意見や正直な気持ちを言ってきてほしい、ということです。Finatextグループがどれだけ大きくなっても、メンバーが自由に意見を述べられる、心理的安全性が高い会社であり続けたいと思っています。

心理的安全性 + 金融 

金融業界も、大幅に改善されてきたとはいえ他業種と比べると心理的安全性が高いとは言えないのが実態です。でも、言いたいことが言える、やりたいことができる職場だったら金融チャレンジしたい!と思うエンジニア、ビジネスコンサルタントの方々はぜひ下のフォームからご連絡ください!ほとんどが金融未経験者です!


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