セルフメディケーションで最も大切なこと(薬剤師向け)
セルフメディケーション推進は薬局、薬剤師にとって大きな課題。今日は新人くんと「セルフメディケーションで最も大切なことは何か?」ということを考えてみました。
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いつもありがとうございます!
山口竜太です。
薬剤師、ノンテクエヴァンジェリスト、イベンター、一児のパパなどしてます。
肩書きはメディカルアーティストです。
唯一無二の肩書きで、世界を変えたいとか言っています。
お客さんがOTC医薬品を買いに来た。
OTC医薬品ってのは、所謂ドラッグストアで買える薬。一般用医薬品とか言います。
詳細はググって貰ったら出てきます。
その対応を新人くんに任せてみたけど、なかなかのグダグダっぷり!
見てられない!
それもそのはず、OTC医薬品を売るってけっこう難しくて、簡単にできるものではない。
挑戦しただけ新人くんは素晴らしい。
NICE TRY!
セルフメディケーションで最も大切なこと
お客さん対応が終わったあと、新人くんに聞いてみた。
「薬剤師として、セルフメディケーションに携わるために最も大切なことは?」
新人くんは一生懸命考えて、
「医薬品の特徴をしっかりわかっていること。併用薬との相互作用、、、」
いいね!
それぞれとても大切なこと。
だけど「最も」大切なことは他にある。
それは「受診勧奨すること」だ。
これができないと、セルフメディケーションには携われない。
セルフメディケーションをざっくり説明すると、「軽症とか未病(病気になる前)の不調は、自分(患者さん自身)で治そう!」ってこと。
かなりざっくり言うとね。
ここで鍵になるのは「軽症とか未病」っとこ。
軽症、未病ってわかります?
まぁなんとなくわかると思います。
ですが、けっこう難しいんです。
例えば、今日の方、痛み止めでロキソニンを買いに来ました。
若い女性です。たまに頭痛がするからと。
はてさて、ロキソニンを売っていいのか?
ロキソニンって痛み止めの重大な副作用に、消化器潰瘍がある。
つまり、胃とか腸に穴あいちゃうよってこと。
こわいね。
まぁ、そんな簡単にはおこらないんだけど、油断はできない副作用。
今回の方、頭痛ってことだったけど、もし胃痛だったら?
お腹痛い!って言ってる人に、ロキソニンはどう?
やばいよね。
しかも、ロキソニンを頻用してたら?
やばいよね。
ってなことを確認しないといけない。
今回は頭痛ってことだったので、それは大丈夫そう。
使う頻度もほんと時々らしく、とりあえず大丈夫かなと。
ここでもし、本当に胃痛で、もとからロキソニンをよく使っていたら、それは胃に穴が空いているかもしれない。
そんなとき、「病院で診てもらいなさい!」と言えるかどうか。
これが重要。
ロキソニンを飲んで治るような程度かどうか、また、ロキソニンを服用することで、より危ない状態にならないかどうか。
セルフメディケーションで対応していいかどうかを判断したうえで、お薬を売ってあげないといけない。
ちなみに、今回は若い女性でした。
気にしないといけないことに、妊娠がある。
妊婦さんにロキソニンはダメ。
ちゃんと妊娠の有無の確認もしなきゃいけない。
「男性の僕らから、女性に妊娠のことは聞き辛い」
うんうん分かる。分かるよその気持ち。
でも、もし妊娠してたらえらいこっちゃ。
母体と胎児を守るために、絶対に確認しないといけない。
かと言って、不躾な聞き方はダメ。
ちゃんと聞き方にコツがある。
「妊娠している方はロキソニンを服用してはダメなんですが、妊娠はされてませんか?」
と聞く。
つまり、「妊娠しているか?」という質問の意図を明確化する。
知らんにーちゃんに「妊娠してる?」って急に聞かれたら、そりゃ不快だけど、「これってこういう危険性あるから、だからどう?」って聞けば、質問の必要性もわかるし、答える必要性もわかってもらえる。
もし妊娠してたら、ロキソニン売っちゃダメだし、場合によっては、妊娠による症状なら、やっぱり病院に行った方が良いこともある。
ここも、受診勧奨するべきかどうか見極めところ。
なかなか難しいよね。
実際私は、他にもたくさん確認しました。
その間およそ1分もかかってない。
新人くんからしたら、流れるようにコミニュケーション取ってて、ビビったでしょうね。
でも何よりまず、TRYしたから素晴らしい。
次は受診勧奨が必要かどうかの視点を入れて、話をしてみましょう!
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