グローバルヘルスに関するG7イタリアサミット首脳宣言について
G7について
G7とは、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順)の7カ国と欧州連合(EU)が参加する枠組みです。去年はG7広島サミットがあったことは記憶に新しいですね。
G7イタリアサミット
イタリアが議長国として行われ、イタリア南部のプーリア州で開催されました。14日に全てのセッションが終わり、議論の成果をまとめたコミュニケ(首脳宣言)が発表されました。
当たり前ですが、様々な観点から書かれているので、一度読んでみるのも面白いと思います。
グローバルヘルスに関する記述
Healthの項目については、One Health approachを促進し、UHCを達成に向け貢献し、質の高い医療サービスとessential medical countermearsures (MCMs)への公平なアクセスを促進していく。と始まっています。
また、Neglected Tropical Diseases(顧みられない熱帯病)についてはこのように記載されています。3大感染症(エイズ、結核、マラリア)とともに制圧を目指すと記載されています。これは、持続可能な開発目標(SDGs)のTargetと書き方は同じですね。
また、気候変動との関連についても言及されているほか、新型コロナウイルス感染症を受け、パンデミック条約に関する法的な文章の作成も進んでいるようです。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ghp/page23_004456.html
また、東京エリアに置かれることが決まっているUHCナレッジハブや薬剤耐性(AMR)への取り組みなどが言及されています。骨太の方針と見比べると、日本が重視していること、G7の他の国が重視していることの違いを感じることができますね。このコミュニケからは、各国の首脳をはじめ担当者らが議論して作成された文章であることが伝わってきます。
広島サミット
昨年、日本が議長国として行われたG7広島サミットでもグローバルヘルスに関する議論が活発に行われました。参考までに振り返ってみましたので、いくつか紹介します。
インパクト投資
G7広島サミットでは「グローバルヘルスのためのインパクト投資イニシアティブ(Impact Investment Initiative for Global Health: Triple I for Global Health)」が発表されました。その後の進展は「骨太の方針2024」に関するnoteで書いた通りです。
GHITへのプレッジ(誓約)
日本政府はグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)へ2億米ドルの増資を岸田首相が発表されました。GHIT Fundはマラリアや結核、顧みられない熱帯病(NTDs)のワクチン、診断・治療薬の開発を促進に取り組むため2012年に設立された組織です。
最後に
来年の議長国であるカナダのThe Canadian Network for Neglected Tropical Diseasesという顧みられない熱帯病に取り組む団体は、G7の首脳へ世界のグローバルヘルス分野の1%以上をNTDsへと割り当てるように提言しました。
来年の議長国であるカナダの動きにも注目ですね。また、NTDsはグローバルヘルス分野の1%も当てられていないんだと思うとやはり顧みられていないと改めて思いました。
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