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グローバルヘルスに関連する骨太の方針2024について

はじめに

こんにちは、骨太の方針が発表されました。骨太の方針は「経済財政運営と改革の基本方針」が正式名称であり、毎年この時期に策定されています。

政策の基本骨格であり、非常に重要なものです。今回はグローバルヘルスに関連する点について焦点を当てて解説します。


国際保健への取り組みについて

海外活力の取り込みとして国際保健について言及されています。

アジア諸国を始めとするインド太平洋地域における健康格差の是正や海外活力の取り込みを通じた我が国の医療・介護産業の成長の観点を踏まえ、国際保健に戦略的に取り組む。

経済財政運営と改革の基本方針 2024原案

Reach Out Projectのインドトリップでも、日本企業の活躍を見る機会は多くありました。医療・介護産業の強みを活かしていくことは日本の経済的成長という観点からも非常に重要であると感じています。

UHCナレッジハブ

2025年に東京エリアにて設置される予定であるUHCナレッジハブについても言及されています。日本政府はユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)の推進に長年取り組んできています。UHCは全ての人々が基礎的な保健医療サービスを支払い可能な額でアクセスできるという概念です。

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHCの概念図)

UHCナレッジハブは世界銀行とWHO等の協力を得てUHCに関連する人材育成・知見の収集を目指す世界的な拠点を目指しています。2024年4月に行われた世界銀行主催のイベントで鈴木財務大臣から途上国のUHC達成に向けた取り組みを支援するために設立されたことが発表されていました。先月行われたWHOの年次総会でもUHCナレッジハブの設置が発表されました。

インパクト投資

インパクト投資についても言及されています。昨年の9月に「Impact Investment Initiative for Global Health(グローバルヘルスのためのインパクト投資イニシアティブ)」という通称Triple Iが立ち上がりました。これは日本がこれまでのG7で主導してきた「グローバルヘルス分野」におけるインパクト投資の拡大を目的とした枠組みです。
設立からPartnerは増加しており、日本の内閣官房が事務局となっています。

エーザイが顧みられない熱帯病(NTDs)の一つであるリンパ系フィラリア症の治療薬のDEC錠の無償提供を通して社会的インパクトを算出しています。まさに、グローバルヘルス分野におけるインパクト会計の先進的な取り組みです。NTDsは少ない費用で大きなリターンが得られる投資対効果の高い分野で、このような動きが加速することを期待していますし、加速できるように取り組みたいと考えています。

最後に

私が具体的な政策提言活動に関わるようになったのはちょうど1年ほど前です。それまではなんだかハードルが高く分かりにくいなと思っていたのが、率直な感想でした。このnoteが誰かにとって少しでもハードルを下げることに役立つと嬉しいと思っています。記事を読んで良かったと思ったら、「スキ」を押してもらえると励みになります!ではまた。

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