見出し画像

ジャズの定義|おめざブログ

最近はジャズをよく聴く。村上春樹の『ポートレート・イン・ジャズ』というジャズミュージシャンを紹介するエッセイを読み、出てくる名盤を片っ端から聴いている。今は音楽配信サービスがあるから検索するだけでいい。チャーリー・パーカーやビル・エヴァンズのような、無知な自分でも名前の聞いたことのある人物から、セロニアス・モンク、モダン・ジャズ・カルテット、スタン・ゲッツなどなど。大西順子や小林圭など、この本には登場しない、日本のジャズミュージシャンも聴くようになった。今までまったく知らなかった世界にふれるのは楽しい。

ジャズを聴くようになったきっかけは、同じく村上春樹の『雑文集』という本を読んだことがきっかけだった。有名な話だけれど、村上春樹は小説家をする前は自分でジャズバーを経営していたので、知識は相当なものなのだ。この本のなかの『ビリー・ホリデイの話』という章に彼なりのジャズの定義が書かれていて、個人的にはそれがとても良かったので聴いてみようと思ったのだ。ジャズバーをしていた時代、いつもお店に来るアメリカの黒人兵と連れの日本人の女がいて、姿を見なくなったある日、日本人の女だけがひとりでやってきて・・・。とエピソードを語るのだが、まぁこれはちょっと本を読んでみてください。とにかく本では彼が実際に体験したことを語り、そのエピソードが彼自身にとってのジャズの定義であると話し、最後に「僕はジャズという音楽についてのそれ以上に有効な定義をもちあわせていない」という言葉で締めくくって終わる。

「ジャズとは何か」とか、定義はインターネットで調べれば技術的なことや歴史的な背景などでいくらでも見つけることができるだろう。だけど自分は村上春樹のパーソナルな定義に魅力を感じて(色気に近い)、聴くようになった。今は村上春樹のその「定義」に近づきたくて聴いている部分もあるかもしれない。

今日も1日が始まりました。誰でも自分の好きなことには、自分なりの定義みたいなものがあると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?