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海外で活躍するには、スペシャリストとジェネラリストどちらを目指すべきか?

海外に出てきてもうすぐ5年、30代も半ばを迎えつつある今、今後の海外キャリアについてふと考えることがある。

自分が海外に出てきたのは28歳のころ。初めての転職で、まだ「これ!」という専門性がなくても就職先の選択肢は多かった。今思えば、職種も業種も(働く国も)全てを変えるかなり思い切った決断だったと思う。そんな「全シフト」転職でも成立したのは、いわゆる「ポテンシャル採用」というものがギリギリ通用する年齢だったのかなと思う。

結局その後も転職をし、新卒から計3社(IT→コンサル→人材)を経験したきたわけだが、一見この一貫性のないキャリアに、「今自分の専門性はこれ」と言えるものが果たしてあるだろうかと自問自答する。営業を磨いてきたわけでもない、当然手に職があるわけでもない、今やっているマーケティングもキャリアの軸と言えるほど長くやってきたわけではない。強いてあげるななら、社会人の半分以上を海外で過ごしてきたこと、くらいだろう。それぞれの環境で人並みに頑張ってきたつもりではいるが、33歳という年齢でこの状態で果たして良いのだろうかと、ふとした時に不安が襲う。

スペシャリストとジェネラリスト、この2つであればジェネラリストに分類をされるのは明らかだ。ここから何かのスペシャリストに近づいていくべきか、そのままジェネラリストを極めるべきか、あるいはそれ以外の選択があるのか。今後もできる限り海外で生活をすることを望む自分にとって、まだその答えは正直わからない。その理由の一つとして、海外キャリアにおいてその二択のどちらを目指すべきか、この問いに対する基準が日本とは異なる、というのがある。

専門性を磨く=海外で通用する人材なのか?

仮にスペシャリストとしてキャリアを歩むパターン。例えば、営業、ITエンジニア、士業、その他の手に職を持っているパターン。これは日本であれば自分にしかない専門性を作ることで、仕事に困ることはないだろう。ただし海外の場合は少し違う。海外では日本人ができる仕事というのは日本に比べるとかなり限られる。

一方で、現地の人でもできる仕事や日本人を必要とされない仕事は多々あるし、国によってはそもそもビザや労働許可証が下りない。要するに、どんなに秀でた専門性があっても「その国において必要とされない仕事」である限り、仕事を見つけられる可能性は格段に下がる、というのは良くある話だ。

もちろん海外であっても、専門性を高く評価される分野はある。例えばタイにおいては、日系企業の多くを占める製造業関連で必要とされる技術を持っている、営業経験が豊富、という専門性を持っている人は強い。要は、その専門性がその国の日本人需要とマッチしているか?という話だ。

だったらジェネラリストになればいいのか?

ではジェネラリストはどうか?潰しがきく分選択肢は広がるようにも思えるが、敷居が低い分より競争率は高まる。ただでさえ日本人の働き口が限られている海外において、そこで勝ち残っていくことはある意味で真の実力や結果が問われる世界になってくる。それに日本の大企業ではただのジェネラリストで大きく雇用を脅かされるほどではないかもしれないが、海外の特に現地採用においてはその後ろ盾はほとんどない。少し話が矛盾するかもしれないが、ジェネラリストタイプであっても「自分がこれができる」「こんな成果を出してきた」という専門性を付加したり、人と違う強みや実績でそれをカバーするしかない。

結論、答えは出ていないし、それがわかっていたら悩んでいない。
それにそもそもスペシャリストとジェネラリストどっちが正解?という問いが海外においては適切ではないのかもしれない。

大きくキャリアの舵を切るのは簡単ではない。年齢を追うごとに方向転換の難易度は上がる。自分のこれまでの積み重ねを認識し、受け入れ、成果を出すこと。その延長戦上で、答えのない世界を生き抜く術を考え続けるしかない。

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