側面だけをなぞり続ける日々

確かにあったはずの痛みがなくなって虚無になる 。隠したはずの感情が日に当てられて露わに。そして、たくさんの思い出が闇に葬られてすべてがなかったことに。積み上げた積み木、鍵のついたおもちゃ箱、好き勝手された着せ替え人形。無邪気だったあの頃。なくしてしまった純情。取り戻したいのはあの日の思い出。潜水艦みたいに深水して、飛行機みたいに旋回する。縛られてしまった過去に、解き放たれた未来が対になって、描かれたまっさらな現在。正しさはある意味不正解で、正義は一方では悪になることを知らずに、側面だけをなぞり続ける日々。