映画『川っぺりムコリッタ』をみる
プライムビデオをみていて偶然、関連作品であって、あ、松山ケンイチ氏だ、と思って、予告を見たら、
なんとなく2000〜2010年代前後の雰囲気作品のにおいがして、
タイトルもフシギな響きがあって、なんとなく観てしまった。
登場人物たちが皆何かを抱えていて、気づいたら家族みたいになってる作品。
特別揺れ動かされるものもなく、かといって退屈でもない。
映像がフィルムっぽい温かみがあって、確実に狙ってるのはわかるけど、好きな色の感じ。
緒方直人氏が主人公の勤め先の社長役。
前科のある主人公をなんとか更生させようと陰で支えている。
緒方氏は子どもの頃にみたドラマ『予備校ブギ』『同・級・生』で優柔不断で優しいタイプの主役ばっかりやってた印象。
いまやドカっとした親方タイプを演じていて、オオっとなった。
1980年代の優柔不断男子たちは今どうしてるか。
『愚行録』で演技力よりもやせ細った腕が気になって作品に集中できなくなった満島ひかり氏。
この作品でもほっそり以上の痩せ体型で、安心というか、もっと食べてって気になる。
彼女の役柄は今回もエキセントリック、というか、これまでみたことのない短めの濡れ場シーンにギョッとした。
主人公と疎遠だった父が亡くなった時の回想シーンとか、やたらリアル。
ちょっと前、中国でも『おくりびと』が人気ってニュースをみた。
『おくりびと』こそ主役がビオラを弾くとか綺麗目設定しないで、原作に忠実な表現をしたほうがもっと良かった。
『おくりびと』の原作『納棺夫日記』の重要シーンを映像化したらこんな感じ、がこの作品でみれた。
全編みおえて、とらえようがない印象が残る。
日本の世帯人数の平均が2を割って、おひとりさまが当たり前の世の中で、
誰もが最期は独りで旅立つもので、
人と暮らすってきれいごとだけじゃないけど、長屋みたいなところで他人同士がお互い気遣い合いながら暮らす、ユートピアみたいな作品。
緒方直人氏、安田成美氏、ときたら柴門ふみ原作のトレンディドラマ『同・級・生』がきて、主題歌がジギーのグローリアでしょう。
いまでもエレベーターが止まる時の「ピーポーン」って音をきくたびに、グローリアのラストの「ピーポー」の空耳します。
今聞いても胸熱熱です。4:04あたりの「ピーポー」
森重さんはほんと声かっけええ。
1989年のバンドマンはみんなジャガーさんにみえる
0:10〜DNチャイムの音はグローリアしてます。
効果音の作成者はジギーファンですきっと。
もっくんが主役をすると役柄がみんなキレイめになる。
個人的には原作のほうが好き。
著者がもともと喫茶店のオーナーでのらりくらりお店をやってた時や、納棺夫としての描写が文学してます。
件の満島ひかり氏の腕が細くて気になって集中できなかった作品。
冒頭と終盤のバスのシンメトリーが主人公の二面性そして妹への思いが描かれていて印象的だった。