Acompanyが賭ける未来と技術
はじめに
こんにちは、Acompany(アカンパニー)の高橋です。気がつくと創業してから2年の月日が経っていました。あっという間だった気もするけど、すごく長かったような気もします。
今回のnoteは、2周年といういいタイミングでもありますので、Acompanyの「これから」について書いています。
Acompanyについて
そもそも、偶然このnoteを見かけてAcompanyを知らない人もいるかもしれませんので、簡単に会社のことを紹介したいと思います。
Acompanyは、秘密計算(セキュアコンピューティング)を軸にデータセキュリティの研究開発を行うスタートアップであり、名古屋大学&名古屋工業大学から認定を受ける大学発ベンチャーでもあります。主にMPCベースの秘密計算システムの開発を行っています。
創業から現在の事業領域だったわけではなく、2度のピボットを経て秘密計算の事業をスタートさせました。
今年の3月には、epiST Venturesより資金調達を実施し、epiST代表の上村氏にアドバイザーに就任いただきました。上村氏は、データサイエンスをコアとする上場企業であるALBERTの創業者でもあり、データ活用分野の知見が非常に豊富な方です。
なぜ、秘密計算(セキュアコンピューティング)なのか?
まず、簡単にAcompanyの注力する秘密計算とは何かを説明すると、「暗号化したままの状態で計算を実行する技術」です。データの中身を暗号化したまま公開することなく、機械学習や統計分析などを行うことができます。Acompanyのブログ内でもう少し詳しく紹介していますので、気になる方はぜひ読んでみてください。
なぜ、秘密計算なのか?という問いに対しての回答は、3つあります。
1つ目は、トレンド。
時代の大きなトレンドの一つに、プライバシー保護があります。2018年のEUのGDPR(一般データ保護規則)やカリフォルニア州のプライバシー保護法、日本でもちょうど個人情報保護法の改定が可決されるなど、各国の動きが活発になっています。
海外のスタートアップに目を向けると、プライバシー保護に対するソリューションを提供する企業の資金調達のニュースを目にすることも増えました。
つまり、今まではとりあえず便利になればいいよねという軸でデータが使われていましたが、個人を尊重したデータの使い方じゃないといけないよねという流れに変わってきたと言えます。
これまで、データの活用とデータの保護はトレードオフの関係にありました。秘密計算技術は、このトレードオフの関係を乗り越えることができる技術です。そのため、秘密計算技術は今後の時代において必要不可欠な要素技術となっていくだろうと考えています。
2つ目は、技術の進化。
Acompanyが取り組むMPCベースのセキュアコンピューティングの研究は、1980年代から行われており、実はそれなりに古くからアカデミックでは研究が行われているテーマです。ですが、社会実装の面ではコンピューティングリソースがかなり必要となり実用的ではないという課題がありました。
しかし、ここ10年の機械学習の発展に伴うコンピューティングリソースの低コスト化やクラウドの進化によって上記の課題が大きく改善されました。秘密計算の手法は、他にもいくつか存在しますが、私たち、AcompanyがMPCを用いる手法に注力しているのは、このような背景があるからです。
3つ目は、実際の企業の声。
秘密計算に注力する以前、ブロックチェーン技術をビジネスとしていました。ブロックチェーン技術をコアにシステムの開発や教育プログラムなどを提供していました。
ブロックチェーンの性質上、複数企業でのデータ活用という文脈で企業の方々とディスカッションを重ねていました。その際に、最も多く出てきた声が「データ活用をしたいが、データ自体は出したくないんだよね。」という内容でした。そのような理由で、データを公開せずに活用できる技術である秘密計算に注力していくという決断を行いました。
Acompanyのミッション
Acompanyのミッションは「データを価値に進化させる」です。
ただデータがあるだけではなく、しっかりと活用できるようにする必要がああります。データ活用のためにはデータの保護と活用を両立しなければならないという課題があります。この課題を乗り越える上で、法律の整備や企業の倫理観、技術の成熟などにおいても必要な要素が出てきます。人口が減少していく日本においてデータ活用で事業にレバレッジを掛けていく必要性はどんどん高まっていくことが予想されます。
Acompanyは、技術でレバレッジをかけて急成長していくテックカンパニーです。なので、法規制や顧客のニーズを技術と融合させることによって、顧客に世の中でますます増加していくデータを価値へと進化させるお手伝いをするという思いを込めて、「データを価値に進化させる」というミッションを掲げています。
そして、最終的にはあらゆるデータが安全に繋がり活用できる「なめらかなデータ活用社会」を実現していくことをビジョンにしています。
どんな会社でありたいか
事業のピボットをしていることからも想像できるようにAcompanyは「これで世界を変えてやる!」という強い想いがある会社ではありません。
僕個人の想いで言えば、最高の会社を作りたいという気持ちが強いです。僕が思い描く最高の会社は、メンバーがいいのはもちろん、いい事業に取り組み、成果を出している会社です。だから、事業の成長にコミットしていくことは当然しますが、事業の内容にめちゃくちゃこだわるというわけではないです。それよりも、社会に求められ、しっかり価値を提供する事業を行い、結果も出すという部分にこだわっていきたいと思っています。
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。
- チャールズ・ダーウィン
時代が変われば、求められるものも変わります。時代が変化しても結果を出し続ける。僕の大好きなビジョナリーカンパニーという本にある、GoodではなくGreatな会社になっていきたいと思っています。
また、Acompanyには「Be Cool.」「Be Hacker.」というメンバーが共通して持つバリューがあります。「Be Cool.」には、美意識や倫理観のように抽象度が高いのですが、自分を大切にした上で、他人を思いやることができるような在り方を示しています。自分を犠牲にして他人のために行動したり、他人を蹴落とし自分の利益を追う姿勢は「Cool」ではありません。「Be Hacker.」は、主体性を持ち継続的な改善を繰り返していくような在り方を示しています。
Acompanyは「Cool」で「Hacker」なメンバーが集まっています。今後はさらに「Cool」で「Hacker」な仲間を増やしながら、そんな仲間と共にGreatな会社になっていきたいと思います。
おわりに
この2年間で力不足で仲間が去って行ったり、事業を変える決断をしたりとしんどいこともありましたが、なんだかんだで未来に向かってもがいていくというのはワクワクすることもたくさんあって、楽しいなと感じています。(メンタルぶっ壊れそうになることもありましたが)
きっとこんな風に感じられるのは、今一緒にいるメンバーのおかげだなと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
Acompanyはまだまだ小さなスタートアップに過ぎませんが、これからもどんどん成長していくことを確信しています。
お願い
Acompanyでは、学生インターンや秘密計算システム開発のための仲間を絶賛募集しています。一緒に最先端の技術を社会実装し、世の中を変える挑戦をしませんか?
こちらのお問い合わせまたは、高橋のTwitterアカウントにDMをください!気になっているから話を聞いてみたいくらいからでもお気軽にご連絡ください!
連絡するまででもないけど、ちょっと気になるという方はぜひTwitterで発信を行なっているので、ぜひフォローお願いします!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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