友達とアルティメット大会に出た

フリスビーを使って、5人ひとチームでラグビーのようなルールで戦う、アルティメットというスポーツがある。やったことのないスポーツだが、友達が助っ人として誘ってくれたので、参加してきた。


誘いに乗った理由は、純粋にアルティメットをやることに興味があったからだ。それと、新しい友達ができることも期待していた。

その友達に参加の意思を伝えたあとで、いい知らせと悪い知らせを聞いた。いい知らせは、可愛い女の子二人もするということだった。悪い知らせは、隣の県のビーチで午前中から始まるので、かなり早起きしなければならないことだった。


彼が車で送迎してくれるということだったので、何とか朝起きることに成功して、集合場所へ行くと、すでにもう二人のメンバーが車に乗っていた。

松永(仮)は、明るくて気さくな男で、最初からたくさん俺に喋りかけて、輪の中に入れようとしてくれた。みどり(仮)は大人し目の柔和そうな子で、周りの人間をよく観察しているような女の子だった。

高い偏差値の大学の子たちだからか、大人びていて、分別があるように感じた。だからといって決して暗いわけではないし、お互いのことを知り合いながら楽しいおしゃべりが続いた。

途中でみょん(仮)をピックアップした。彼女は前日に車を運転する友達に、待ち合わせ場所周辺の地図や、行き方のポイントを、ラインで送っていた。こういうのも、育ちの良さを感じる。


ビーチに到着して、車で一人できていたマッチョ(仮)と合流した。まずテントを作り、荷物をまとめて拠点とした。試合は午前と午後の四試合あるということだった。

各試合の展開は、長くなるので省略する。総じて言えば、全敗だったが、初心者の寄せ集めのチームだった割には、試合として形にはできた。

フリスビーの軌道は、ボールが描く放物線よりも、ギリギリのプレーを演出しやすく、初心者でもスリリングなプレーができた。ビーチで軽装でできるのも、気楽でいいなと思った。

初めてだったが、足手まといにはならずに済んたかなという気がする。楽しかったので、純粋に趣味としてまたやりたいと思った。


こうして書いていると、自分のスポーツへの動機というのは、プレーそのものよりも、その先の人間関係にあるのだということを実感する。

大会後は温泉に行った。男同士だったので、自分の中に芽生えたみょんへの恋心を打ち明けてみた。みんな受け入れて応援はしてくれた。

それとやはり彼らは名門大学を卒業しているので、研究の話や仕事の話も、真面目だった。遊ぶときはふざけているように見えても、根はやっぱり誠実なんだろう。


最後にカラオケに行った。歌は結構知っているので、混ざって弾けることができた。女の子たちも楽しそうで良かった。

慣れている感じではないのだけれど、自然な歌声で丁寧に歌っているみょんのすがたに、また少し惚れた。

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