マガジン一覧

石引読書会

石引商店街にある「石引パブリック」の読書会で知り合った皆さんに面白い本を紹介していただくマガジンです。(今のところ) ※石引パブリックの、本屋・カフェ部門は2022年12月で終了しています

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読書会 6/28 「姉妹のように」 クロエ・コルマン

8名の参加。 皆さんの深い読み、また、訳者の方に参加いただいたことで、より理解が深まる会となった。 自分は、この小説をパッと読むことができない。 小説の冒頭の方でそう感じ、朝昼晩と15分から20分ずつ読む、ということを3週間くらいかけて繰り返した。 体に染み込ませながら読んでいく、という読書体験。 久々にこういう体験をしたと思う。 どんなことにもスピードを求められがちな環境に身を置いている為、 むしろ逆の作業を無理矢理にでも自分に課した。 たくさんのことを一瞬で把握しよう

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石引読書会 9/22(金)「ヨブ記」 @石引パブリック 

9/22(金)石引読書会『ヨブ記』のレポートです。 作成してくださったのは、「ヨブ記」をリクエストしていただいたKさんです。 今回の参加者は6名。そのうちお一人が初参加の方でした。これまでからすると少なめでしたが、お題からするとよくぞおいでいただいたとの印象です。分量はさほどではないのですが、やはり読みにくくて、みなさんちょっと苦労したようです。 自己紹介も兼ねてざっくり感想をお聞きしたところ、「信仰の対象がないところで祈りは成立するのか?」、「人間の力を超えたところで、

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8/4 読書会 『一向一揆共和国 まほろばの闇』(2014)ちくま文庫  レポート

レポート寄稿:Nさん(八木が代わりに掲載いたします) 保守王国とされる金沢市と過去の一揆による100年の自治の関係について、五木寛之さんのエッセイをもとに考えました。 五木さんは金沢をこよなく愛する作家で、ここを舞台にした『内灘夫人』(1969)、『朱鷺の墓』(69-78)などの小説もあります。ご縁は深いものの郷土作家ではなく、むしろ外部者としての視点が特徴的です。朝鮮半島からの引揚者としての根無し草の意識(デラシネ)、ここが私の故郷ですというものがないところから出発して

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「嘘と政治 ポスト真実とアーレントの思想」 (書評:松岡さん

以下、書評を読書会メンバーの松岡さんからいただきました。 松岡さんに変わって八木が掲載いたします。  安倍政権以降、公文書の書き換えや国会での数々の嘘にモヤモヤし続け、政治に対しては諦めしかないのですが、岸田政権でのマイナ保険証義務化や原発回帰、防衛費倍増計画など、ほっといたらどこまで行くのか恐ろしくもなって、改めて政治について考えようと手に取った一冊。    著者は、ハンナ・アーレントの著作を読み解きながら、政治家の嘘によって、異なる意見を持つ同士が議論ができる基盤となる

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