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ハワイで感じた《感覚》の重要性

前回のトルコの話に続きまして今回は2011年に行ったハワイ大学での研修についてお伝え致します。

本研修のきっかけは、前職院長の高校時代の恩師がハワイ大学男子バスケットボール部でアシスタントコーチをしていた経緯からはじまります。

そのコーチと一緒にハワイ大学へ研修に行った指導者がACL損傷予防のプログラムを日本へ持ち帰り実施したところ受傷が減ったとのことでそのプログラムを学んでくること。

それがきっかけとなる目的でした。

その予防プログラムとは、FIFA 医学評価研究センターが2006年に発表したFIFA11+というものでサッカーに関わるトレーナーならご存知の方も多いと思いますが、2010年 FIFA ワールドカップ南アフリカ大会で正式採用となった予防プログラムです。

詳細は現在動画や資料などでも閲覧が可能ですので興味がある方は是非ご確認ください。
11+動画
http://www.jfa.jp/football_family/medical/11plus.html
11+冊子
http://www.jfa.jp/football_family/pdf/medical/11plus_a4.pdf

渡米日程はお世話になった日本人ATCである森部高史氏がメインにサポートしている女子バスケットボール部がオフシーズンである日程に行かせて頂き、1週間という短い期間ではありましたが、各部のアスレチックルームの見学やアメリカンフットボール、女子バレーボール、女子サッカーなどの練習・試合を見学させていただきました。

森部氏のプロフィールについては下記よりご参照ください。
https://kukunabody.com/profile/

本研修では11+を体験し、持ち帰るという目的はもちろんありましたが、その時期既に筋力や可動域など機能的な部分だけで本当に予防や痛みを根本的に解決できるのか疑問視していた自分にとって本場のトレーナーとのディスカッションが本当の目的でした。

森部トレーナーは現在キネティコス(https://kinetikos.jp/)のアドバイザーを務めるなど、当時スポーツトレーナーとして壁にぶち当たっている自分にとっては申し分ない環境下での日々を過ごすことができました。

その日々の中でも印象的であったのが、西洋医学の最先端であるアメリカ本土でのトレーナー経験もあり、臨床最前線で活動されている森部トレーナーも私と同じような疑念を抱き、それを克服する為の次のステップに進まれていたことでした。

その次のステップとは《感覚》を重要視するということです。

11+はある意味、決まったトレーニングやフォームを構築することですが、それでは本質的には予防はできず、最終的には選手自身がどのような感覚で身体を操っているかが重要であり、そこには関節や筋肉の状態を正確にフィードバックする為の感覚器や自分自身の軸をどのように認識しているかなどが重要である。

そのようなアーティスティックな観点での視点を科学的な思考が最重要とされていると思っていたアメリカで活動されている森部トレーナーの方から示唆されたことは私の人生にとって大きなきっかけとなりました。

実際にロルフィングというボディワークを学び始めていた森部トレーナーから渡米中にはセッションを体験・見学することもでき、これまでトレーニングメソッドや治療の方法論で試行錯誤していたモノが自分自身の心身状態という新たな矛先がみつかったものこの頃でした。

帰国後には様々なボディワークに通い自分の身体に向き合う時間を増やし現在に至ります。

今の私を知る人には驚かれることもありますが、この頃の私は身体も頭も硬く、怒りっぽく、体調も崩しやすいポンコツでした。笑

このような人生を変えるきっかけは時に人であり、場所であると感じています。

ハワイという土地で後輩セラピストと共に、レンタカーを借りてハワイ大学まで毎日通った、たった一週間の日々は間違いなく自分の人生において《感覚》を重要視する大きなきっかけになりました。

この舞台で活躍するトレーナーが言っているのだから間違いない。

そう思えるトレーナーに出会えたことも喜びですが、そのような機会を与えて頂いたDr.や研修に行かせて頂いた職場など、全ての方々に感謝です。

前職の後輩とは学会で会うこともあり、院長は医療の最前線からは一歩引いて活動していますが、引き続き多くの刺激をいただけ感謝しています。

そしてここでの日々をきっかけに日本へ帰国した森部氏とは何度もお会いし、様々な相談にのっていただいており、私にとって貴重な背中をみせてくれる先輩トレーナーです。

その時の森部氏とまでいかなくても、今の私が感じている"感覚"やみてきた"視点"そして現場での経験や思考はこのハワイ大学に行った頃の自分に対してであれば活路を見出す示唆ができると思えます。

だとすれば、こうやって記して発信していくこと。

そして現在進行形で感じている現場での試行錯誤を記録に残していくことが、誰かにとって悩みを解消し、その先にいる選手が救われると信じてnoteを更新していければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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