見出し画像

【理系最高峰の大学】東京工業大学に受かるには?①数学編

東京工業大学ってどんなところ?


東京工業大学は、東京都目黒区大岡山にメインキャンパスを置く、理系最高峰の大学です。’東工大’という愛称で親しまれています。といっても、2022年に東京工業大学と東京医科歯科大学の合併が大きなニュースとなるまでは、かなり知名度は低かったと思います。

2024年度には合併して東京科学大学という名前になるようなので、もしかしたら入試形式も変わるかもしれませんが、このnoteはあくまで2023年に受験生になった人たちに向けて書くこととします。


知名度は低いですが、東工大は東大京大に次ぐ日本で最高峰の理系単科大学であり、世界でも研究力の高さで知名度のある大学です。
東工大は一次試験(共通テスト)は足切りにしか使われず、すべて二次試験の点数で決まります。また、二次試験は750点満点で、
数学300点・英語150点・物理150点・化学150点という配分になっています。この配点からも分かる通り、数学が非常に重要視されています。

東京工業大学の数学の難易度は?


東工大の数学の難易度は、はっきり言って東大と同等レベルです。「東工大の数学は東大の試験よりはるかに難しい」と言われることもありますが、意外とそんなことはありません。(ただし、恐ろしい程の難問が出る頻度は東工大の方が高いです。)東大の数学は6問を2時間半で解くのに対して、東工大の数学は5問を3時間で解くことになります。東工大の問題は、じっくり考える時間が用意されているので、東大の問題に比べると解きやすいといえます。

上では東大と比較しましたが、一般的な大学入試の話でいえば最高難易度であることに変わりはないです。そのため、得意な人と不得意な人の間で差が付きやすく、東工大を受験する上で重要な得点源であるといえます。

対策1 志望学院を決める


東工大は「学部」ではなく「学院」と呼ばれる制度を取っています。一年次にはどの学院も共通の教養科目を学び、二年次から「系」と呼ばれる学部のようなものに分かれて専門科目を学んでいくことになります。学院ごとに原則入れる系は決まっています(例:理学院ならば数学系・物理学系・化学系・地球惑星科学系の4つから選択)が、一年次の成績が良ければ、自分が所属していない学院の系に入ることもできます。

また、東工大の入試では、第三志望まで学院を書くことができ、仮に第一志望の学院の合格最低点に届かなくても、第二志望第三志望の学院の合格最低点を上回っていればその学院に入ることが出来ます。そのため、最も人気のない生命理工学院はよく第三志望に書かれています…(ただし、合格最低点が複数おり、片方しか入学できないとなった場合には志望度が高い人の方が優先されます)

以上のことを考えつつ、自分が志望する学院を決めるとよいでしょう。以下に6つの学院と2022年2月入試の合格最低点を挙げておきます。

理学院(396)
工学院(394)
情報理工学院(451)
物質理工学院(375)
環境・社会理工学院(367)
生命理工学院(368)

点数からも分かる通り、多くの受験生は理学院・工学院・情報理工学院のいずれかを第一志望にしています。どの学院を志望するかによって目指す点数が違ってくるので、下記の得点戦略のような点数を取る必要がない場合もあります。あくまで参考として見るようにしてください。

対策2 得点戦略を立てる


東工大の合格最低点は、学院(学部)によって異なりますが、大体370~450点/750点満点となっています。難問が出た年は370点よりさらに低いこともあります。よく大学入試は6割取れれば受かるといわれますが、まさにその通りで、合格最低点は5割~6割となっています。
数学は他の科目より配点がかなり高くなっているので、どれくらいの点数を目指すかによって対策が変わってきます。細かく分けると、

  1. 数学をがっつり得点源にしたい人

  2. 数学で少しは点を稼ぎたい人

  3. 全ての教科で満遍なく取りたい人

  4. 数学で点を稼ぐつもりのない人

の4つに分類できるでしょうか。それぞれ解説していきます。

対策2-1 数学をがっつり得点源にする人の戦略


数学で合格をつかみたい、という人は、基本的には才能がないと難しいと思います。というのは、東工大というのは数学が異様にできる人が集まってくる大学だからです。そのため、得点源にするとなるとかなり難しいですが、
得点配分はこんな感じでしょうか。

  • 数学 250/300

  • 物理 90/150

  • 化学 90/150

  • 英語 40/150

計470/750となり、最も合格最低点が高い情報理工学院の合格最低点も超えるであろう計算になります。英語が超苦手な場合は英語をさらに低く見積もって、物理化学の目標点をもう少し上げてもいいかもしれませんね。

対策2-2 数学で少し点を稼ぎたい人の戦略


数学でそこそこ点を取りたいという人は、英語もある程度点を取らなければならないので少し大変かもしれません。
得点配分はこんな感じでしょうか。

  • 数学 200/300

  • 物理 100/150

  • 化学 100/150

  • 英語 70/150

計470/750となり、情報理工学院の合格最低点を超えていますね。物理や化学が特筆して出来る人は、その分得意科目の点数を高めに設定して英語や数学の目標点数を下げるとよいでしょう。

対策2-3 全教科で満遍なく取りたい人の戦略


自分が天才/英語が超苦手であると思っていない限りは、このような点数の取り方がベストでしょう。東工大入学者のボリューム層はこれくらいを目標にしていると思います。

  • 数学 140/300

  • 物理 110/150

  • 化学 110/150

  • 英語 110/150

計470点となり、情報理工学院の合格最低点を超えていますね。数学以外の点数が高すぎると思う人もいるかもしれませんが、物理化学英語は数学と違い、量を積めば確実に点数が伸びるので、こちらで点を稼ぐことをお勧めします。

対策2-4 数学で点を稼ぐつもりのない人の戦略


数学はあまりできない、という人でも、他の科目で十分挽回できます。筆者もこの戦略で合格をつかみ取りました。

  • 数学 100/300

  • 物理 120/150

  • 化学 120/150

  • 英語 130/150

対策2-3でも書きましたが、物理化学英語は慣れれば点数が安定してくるので、その三科目を軸に得点配分を考えるのがおすすめです。特に英語は点数を稼ぎやすいので、苦手な方は苦手意識を払しょくできるようにするとよいですね。

対策3 必要な点数ごとに参考書を選ぶ


東工大の数学は完全記述式なので、部分点で得点を稼ぐことが出来ます。そのため、まずはきちんと基礎を固めて、簡単な問題を確実に正答できるようにしましょう。

100点/300を取るには、フォーカスゴールド/青チャートレベルが完璧ならば十分でしょう。筆者は青チャートが学校で配られていたので青チャートを使いましたが、これから買おうとするならばフォーカスゴールドの方が幅広く問題が載っていて良いと思います。
フォーカスゴールドなどの網羅参考書では不十分だという意見もあると思いますが、100点取るだけなら部分点をたくさんもらえばいいだけなので、ひたすら典型問題の解法を押さえて、自分の使える技を増やしておくのが良いでしょう。
余裕があれば、150点を取るための参考書もやって、他の科目が失敗してもいいように数学の得点力をつけてもいいですね。

150点/300を取るには、文系/理系数学のプラチカあたりが出来ていると十分でしょう。100点に比べてたかが50点高いだけですが、5問中1問は満点を取っておかないと150点は厳しくなってしまうので、応用問題の演習を積むことが必要でしょう。理系数学のプラチカ数1A2Bは少し平易すぎるので、文系数学のプラチカの方をお勧めします
応用問題の演習を積んだら、あとは過去問をひたすらやって、東工大の問題に慣れましょう。時間があれば駿台が出している冠模試がたくさん入っている問題集を買って、本番同様の環境で3時間ぶっ続けで解くと、より良いでしょう。

200点/300を取るには、やさしい理系数学/上級問題精巧あたりが良いでしょう。筆者は前者を選びましたが、後者の方が明らかに力が身につくと思います。(問題の難易度、量などから) 前者は別解がたくさん載っていますが単元ごとの難易度にバラつきがあるので、どちらかというと上級問題精巧の方が良いでしょう。表紙もかっこいいし。
このレベルまで来たら、正直本番の問題が得意分野かそうでないかの運もあると思います。運がいいことを祈ると同時に、苦手分野の対策を重点的に行うようにしましょう。また、数学で失敗してもいいように、他の科目も同等に勉強するべきです。特に直前期は化学の知識を詰め込むと点数が上がりやすいですね。

250点/300を取るには、入試数学の掌握をやってもよいと思います。といっても、これくらいのレベルになると、その参考書をマスターしたからと言って得点が取れるワケではなくなってきます。入試数学の掌握は、本当に数学を究めたい人のみがやればよいでしょう。また、掌握ではなく様々な難関大の過去問を東進のデータベースから漁って解くのも良いですね。名古屋大や東大、北大あたりがおすすめです。
200点の方でも書いたように、苦手分野がある人は、逃げずにそれを優先しましょう。複素数平面・二次曲線などの出なさそうな分野(演習が足りてなさそうな分野)が出てきて大幅失点、となるのが最悪のパターンなので、満遍なく勉強を怠らないようにしましょう。

最後に


一応塾講師もしていて、その経験と自分の経験から書きましたが、100%鵜呑みにはせず、参考程度にしてくれるとありがたいです。入学してから興味のある分野が変わることもあるので、東工大の「学院・系」という制度は良いなと思っています。(東大だと2年間も教養科目を学ばされる…)まあ、自分が通っているからこその愛校心かもしれませんが。

そもそも東工大を目指す方の多くが、英語が苦手でも行ける最難関大と考えていると思いますが、それは大きな間違いです。数学がすごくできる人でない限りは、とてつもなく長い英文を読んで、英語でそこそこの得点を取らなければなりません。しかし、臆することはありませんよ。英語は身についた後は最も点数が安定しやすい科目なので、英語が出来ることは自信につながります。また、東工大の英語は長い分、同じトピックについてたくさんの話題を出してくるので、文章の内容がつかみやすくなっています。というように、東工大に合格する上で誰でも差がつけやすいであろう英語についても4月中にはこの記事のように書こうと思っているので、そちらも読んでいただけたら幸いです。

これを見ている方は受験生が多いと思います。ぜひ受験勉強頑張ってください。東京科学大学になって入試方式が変わった場合は適宜更新していきます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?