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【理系最高峰の大学】東京工業大学に受かるには?③化学編

はじめに


この記事では、東工大に受かるためのメソッドを書いていきます。得点戦略などは①数学編に書いてあるので、ぜひそちらを読んでからこちらに来ていただけると幸いです。
東工大理学院に合格し、その後塾講師をしていく中で得た経験から、東工大に受かるためにどのような勉強が必要か、そしてどんな参考書を解いたらいいのか、などなどを書いていけたらなと思います。

東工大化学の特徴


東工大の化学は、はっきり言ってかなり特殊です。特殊なポイントは大きく二つあります。

  1. 答えのみを記述

  2. 選択問題の答えがひとつとは限らない

一つ目についてですが、基本国立大の入試は導出過程を記述することが多く、それによって部分点を取れることがあるのですが、東工大は全て答えのみを記述なので、答えの書き間違いをしてしまうと大幅失点となってしまいます。(大問が計15問しかなく、一問ごとの配点が高いため)

二つ目ですが、よくいろいろな大学で出題される、選択問題というものがありますね。「次のうち、正しいものを一つ選べ」といったようなやつです。東工大の問題は少し異色です。
「次のうち、正しいものを一つまたは二つ選べ
すなわち、答えがひとつかもしれないし、ふたつかもしれないのです。このため、消去法は基本的に適用できず、正確な知識が必要とされます。また、数値を答えさせる問題も、計算がかなり煩雑なため制限時間内に解き終えることが難しく、それも相まって東工大の化学は長い間難問ぞろいとして恐れられてきました。
が、それも近年では平易になってきており、制限時間内に完答することも容易になってきています。結果として、数値計算に関しても知識に関しても、より正確性が求められるようになっています。

東工大の化学は、試験時間2時間で大問15個であり、理論5問・無機5問・有機5問で構成されています。完全に満遍なく出題される印象が強いです。どの分野でも重箱の隅をつつくような知識を問う問題はたまに出てきます。物理とは別の時間に解くので、他教科のことを考えず化学に2時間も割くことができ解く時間はたっぷりあります。

対策1 暗記ゲーだと思わない


化学というのは理系科目の中でも暗記度合いが強めなので、ひたすら覚えようと勉強してきた人もいるかもしれません。しかし、知識のつながりを意識して勉強しないと東工大の化学では得点につながらないため、もしひたすら暗記をしていた人はやり方を変えましょう。

といっても、化学の新研究(難関大志望者が良く使う分厚い参考書)を全部読む必要はないかと思います。情報量が多く、実際入試問題で出てくる知識は全てその参考書の中に書かれていますが、どう考えても全部読むのは効率が悪いです。辞書的な扱いや、知識の補完目的に使うのがベストでしょう。
オススメの参考書は鎌田の有機/理論化学・福間の無機化学です。結構有名だと思いますし、実際に入試に必要な知識が詰め込まれています。これらの知識をベースに、学校で配られた資料集や様々な問題集を使い、新しく知ったことは小さい手帳にでも書くようにしておきましょう。(付箋に書くなどすると、あとで知識の整理が出来てオススメ。)

また、資料集を舐めてはいけません。いつもは淡緑色とか濃青色といったように字面でしか見ていない色を写真付きで確認出来て、覚えやすくなります。スマホを使えばもちろん色を視覚的に見ることはできますが、受験生にとってスマホは基本悪魔なので、使わないに越したことはありません
資料集にも、意外と多く情報が載っているので、自分が持っているものを一度見返してみるとよいでしょう。


対策2 10年以上前の東工大の過去問は気にしない


東工大の問題は、難易度の落差が激しく、2010年ごろの問題ははっきり言ってクソゲーです。難しすぎて、時間内に解き終わることはまず無理なような問題が普通に出てきていました。その時の名残から、東工大の化学は今でも恐れられています。

が、今はそんな名残もなく、年々易化しています。そのため、難関大志望者は○○大の数学/英語20か年といった過去問を買うと思うのですが、東工大の化学は15か年でもよいでしょう。東工大の化学の独特な問題形式は20年以上前から変わらずなので、慣れるために問題は解くべきですが、正直「こんな知識わからんやろ」という問題や「難しすぎる」数値計算問題が出てきます。現在そんな難易度の問題は出てきていませんが、自分の能力を底上げするためと思って解くと良いでしょう。しかし、解けなかったからと言って落ち込むことはありません。化学が異様に難しかった代わりに英語や物理が簡単だったのです。

結局、10年以上前の過去問が解けないことは気にしなくてもよいですが、解いておくと本番で「あれ、簡単だな」と感じて、余裕で解けるかもしれませんね。(私自身はそうでした)

対策3 問題演習系の参考書はそこまで使わない


過去問に入る前に化学の新演習や重要問題集などをやる人が多いかと思います。しかし、はっきり言ってそこまで効果はないように感じました。やるとしても重要問題集レベルまでで十分でしょう。というのは、何度も言っている通り、東工大の化学は独特な問題形式だからですね。ほかの大学の問題とは一線を画しているように感じるので、あまり入試典型問題を解くことの理由が見つからないと私は感じています。

そんなものを解くくらいであれば、さっさと過去問を何周も解いて問題に慣れるべきです。演習量が足りないと思ったら、駿台の冠模試が詰まった参考書を買いましょう。基本的なルーティンは過去問解く→参考書などで知識の補完→過去問の繰り返しです。知識の補完をする過程では、化学の新研究や資料集がおすすめです。そして新しく知ったことは付箋に書いて手帳などに張りましょう。ある程度たまったら、有機・無機などの分野ごとに付箋を貼りなおすとよいですね。

最後に


東工大の化学は独特なので、他の大学を志望する人たちと同じような勉強内容ではいい効果が期待できません。そのため、以上のことを意識しながら勉強すると、良い結果が期待できるでしょう。

そして、近年は化学だけでなく物理も易化しており、理科が圧倒的な得点源となっています。現役生の場合、理科が仕上がっていないケースが多く、それによってかなり痛手を負う可能性があります。そのため、出来るだけ上記のことを守り、効率よく勉強するようにしましょう。応援しています。


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