私の野球人生　〜原北ウィングスでの野球の始まり〜

小学校3年生の春、私が原北ウィングスの練習に初めて参加した日のことは、今でも鮮明に覚えています。コーチに「左中間を守って、ボール拾いをしてくれ」と言われましたが、左中間がどこなのかさえ分かりませんでした。その時の私は、野球のルールやポジションについてほとんど知識がなく、ただ漠然とボールが飛んでくるのを待っていました。でも、そこから学ぶことが山ほどあると感じていました。

練習場では、5年生や6年生の選手たちがとても大きく見えました。先輩たちのスピードや力強さには圧倒され、少し不安を感じることもありました。しかし、その一方で、野球が純粋に楽しいとも思っていました。試合や練習の一振り一振りが、新しい世界への扉を開いていくようでした。

特に印象深いのは、小学4年生の時のことです。野球のない日も、地元の公園で先輩たちと野球をして過ごしました。その頃の私は、野球がすべてで、日が暮れるまでグローブを手放すことはありませんでした。公園での野球遊びは、試合とは違う楽しさがあり、自然体で野球ができる場でした。そこでは、勝ち負けよりも、野球そのものの喜びを感じることができました。

原北ウィングスで過ごした日々は、私にとって野球の基礎を学ぶ貴重な時間でした。野球のルール、チームワーク、プレーの楽しさ。これらすべてが、今の私を形成するのに重要な役割を果たしました。当時は、自分が野球を通じて何を学んでいるのかすら分かりませんでしたが、振り返ればそれぞれの瞬間が、私の成長に欠かせないものでした。

試合の記憶に残っているのは、4年生の時に九州大会でスタメンとして出場したことです。準決勝で対戦した相手の投手は、私がそれまでに見たこともないほどの速さでボールを投げてきました。それもそのはずで、後にミスターゼロというあだ名で、甲子園で活躍した投手でした。その投手から私はバントを決めたり、センター前にヒットを打つことができました。そして、優勝候補だった相手に勝利したことはいまだに鮮明に覚えています。こういった試合での成功は、私にとって大きな自信へと変わりました。

原北ウィングスでの体験は、私に野球の純粋な喜びを教えてくれました。先輩たちとの公園での野球遊び、チームメイトとの練習、そして試合での緊張や成功した時の喜び。これら全てが、私の心に深く刻まれたかけがえのない思い出です。それは今でも私の野球への情熱の源泉であり続けています。

そして、私は小学校5年生の時に大分県の住吉小学校に転校することになり、また新たな環境で出発することになりました。

次回へ