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漫画『とめはねっ!』まとめ ~かな編~

漫画『とめはねっ!』の書道に関する部分をまとめました(割愛あり)。
「かな編」です。

かなの話は、6~10巻、飛んで12巻に出てきます。
それではどうぞ!


6巻

■第67話
【かなの古典】
『寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)』

かなの書
・「かな」と「漢字」は別もの
・「かな」を書くなら「かな」の先生につかないとダメ


7巻

■第77話、78話
【かなの古典】
『高野切(こうやぎれ)』

「ひらがな」ができるまで
・日本人は字を持っていなかった
・中国や朝鮮半島と漢文で書かれた文書をやりとりするようになる
⇒文字の伝来
・話し言葉は日本語、書き言葉は漢文の時代になる
・日本語を文章にしたくて漢字の読みを当てはじめる(「夜露死苦(よろしく)」的な)
⇒「万葉がな」の誕生
・漢文の漢字を「真名(まな)」、万葉がなを「仮名(かな)」と呼ぶ
・この頃の書体は行書や楷書
・「真名」と「仮名」を区別するために「仮名」を草書で書きはじめる(=「草仮名(そうがな)」)
・さらにくずす
⇒「ひらがな」の誕生
・万葉がなはひとつの発音に対して複数あった(か:加、可、閑、賀、家など)
・「ひらがな」にならなかった万葉がなのいくつかは、その後も使われた(=「変体がな」)
・「ゐ」、「ゑ」は1964年の「現代かなづかい」で消えた

かな作品
・「ひらがな」と「変体がな」を使って書く
・使用頻度の高い「変体がな」は決まっているので、勉強すると、かな作品を読めるようになる

■第79話
かなの道具
・かなの筆は消耗品
・紙は、かな用を使う(ツルツルしている)

【かなの基礎練習】
・紙の端から端まで、クルクルと丸くつながる線を書く
・時計回りと、逆時計回り
・一定の太さで、なるべく長く、途切れないように

■第82話
平安期のかなは現在のひらがなと違う
例)平安期の『い』
・一画めははねずに二画めに向かってスッと抜ける感じ
・二画めは止めずに次の字に向かって流れる

むすびは小さく書く
・カーブしたらいったん筆を離し、また筆をつけて続きを書くと小さく書ける

漢字との違い
・漢字の終筆は「止める」か「はねる」か「はらう」だが、
かなは「抜く」か「むすぶ」

■第87話
【かなの古典】
『香紙切 (こうしぎれ)』

文字の大きさ
・「かな」の臨書は実物とだいたい同じ大きさで書く
・大きさを実感するには、本物を見ることが大事

■第88話
「散らし書き」(題材『寸松庵色紙』)
・行を散らして書く
・行頭が下がったり上がったりする
・行間も一定ではない
・斜めになっている行もある
・上の方に大きな余白を残している
・中国の書にはない、日本人独特の非対称の美意識


8巻

■第89話
かなの創作の手順
(1)書く内容を決める
(2)全体の構図を決める
(3)「変体がな(漢字)」に変えるところ、使う漢字を決める
(設計図を作る)
(4)書く

■第90、91話
かなの創作のポイント
・「変体がな」の種類が少なくならないように
・同じひらがなが近くにあるなら、どちらかを「変体がな」にするとよい
・「散らし書き」は「五・七・五・七・七」の字数配分だと変化に乏しい
・『や』など橫広の文字を大きく橫に伸ばすことで、縦方向の連綿の流れに変化をつけられる
・「散らし書き」の塊の大きさに変化をつける
・長さを出したい時、字形の長い「変体がな」を使う
・「細太(さいたい)」で変化をつける
・細く始まり後半で太くするには、墨たっぷりの筆でも細く書ける技術が必要


9巻

■第105、106話
「かなの書」で現代短歌を書く??
・感動した文章があって、それを見る人にも伝えたい
・それなのに「変体がな」を使うような読みにくい表現を選ぶのは、矛盾していないだろうか?
・現代人に伝えることが目的なら、「漢字かな交じりの書」が適当と思われる


10巻

■第107話
【かなの古典】
『継色紙(つぎしきし)』

「かなの書」はタイムカプセル
・1000年も前に書かれたのに、輪郭がくっきりしていてまるで昨日書かれたよう
(墨は時間による変化が少ない)
・連綿の筆跡を本物そっくりに書こうとすると、1000年前の作者と全く同じ動きをしないと書けない
・古筆は文字だけでなく当時の作者の動きも記録している

■第121話
クセのない手本
・『高野切』は「かなの書」の手本として最初に習う
・クセがなくキレイな書は手本向き
・特徴らしい特徴がないとも言える
・特徴がないものは似せるのが難しい(ごまかしが効かない)
・臨書の作品として展覧会に出すのは不利(賞を目指す場合)

■第122話
【かなの古典】
『本阿弥切(ほんあみぎれ)』
『針切(はりぎれ)』
『源氏物語絵巻(げんじものがたりえまき)』

■第124、125話
料紙(りょうし)
・かな作品は料紙に書くと見映えする
・「料」の字には何かに「使うための」という意味がある
・昔の人が和歌などを「書くために」あつらえた紙=料紙
・古筆に使われた紙のレプリカも売られている
・料紙は高価だが、練習用の安いものもある
・料紙に書いたものを、大きな紙に配置する(料紙が大きい場合は切って配置)


以上です!

「漢字編」はこちらです。