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書道おすすめ本『書の古典と理論 改訂版』

書道のテキスト。

とりあえず1冊持つとしたらこちらをおすすめします。

『書の古典と理論 改訂版』全国大学書道学会 編(光村図書出版)

「光村図書出版」は高校の書道の教科書を発行している出版社です。

書道の教科書は大人にもおすすめのテキストとしてよく紹介されていますよね。

ただ、教科書は取り扱う書店が限られていて、入手しづらいのがネックでした。

この本は高校書道科免許取得を目指す学生さん向けの参考書。
教科書ではないので、一般の本と同じように全国の書店で買うことが出来ます。

内容は、
・古典編(中国)
・古典編(日本)
・理論編
・資料編
そして
・付録
です。

学習指導要領など教育に特化した内容も載っていますが、ほとんどは書に関する基礎知識です。

「『書』の総合テキスト」の謳い文句通り、誰が読んでもためになる内容だと思います。

ちなみに、活字はあまり大きくないので、気にされる方はご注意ください。


【古典編】は、古典の図版が1ページに1つずつ載っています。

大判、オールカラーで見やすく、縮尺率の記載があるので原寸をイメージしやすいです。

一部の古典ですが、能書家による臨書例も載っています。

1冊で中国、日本、両方の古典を見ることができてお得です。


【理論編】、【資料編】には、たくさんの情報がギュギュギュッと詰まっています。

道具、執筆法といった基礎知識から、「書とは何か」といった奥深いことまで学べます。

中国、日本の書の歴史や、
「平仮名・片仮名の字源」、「誤りやすい草書」の一覧など、
リファレンスとしても使えます。

楷書の書きぶりの違いをまとめた表など、情報整理にも役立ちます。


【付録】には、「臨書のための中国・日本名跡集」として次の7種の古典が、オールカラー、原寸大で載っています。

・石鼓文
・曹全碑
・九成宮醴泉銘
・蘭亭序
・書譜
・風信帖
・高野切第一種、第三種

各古典とも1ページに収まる分量だけなので、本格的な臨書には向かないかもしれませんが、
カラーかつ原寸大で7種もの古典を見られるのはありがたい。

ミシン目で本体から切り離せます。



私はこれまで書に関して疑問があるとネットで調べていました。

お金もかからず手軽だからと続けて来ましたが、実のところ、欲しい情報がなかなか見つからなかったり、情報の信憑性を気にしたり、結構面倒だったんですよね。

この本を手にして、やはり信頼できるテキストは何か1冊手元にあった方がいいと実感しました。

参考書なので文章が堅めで、正直、取っ付きにくさはあります。

特に【理論編】の文字ばかりのページは飛ばしていましたが、腰を落ち着けて読んでみたら意外と面白かったです。

これからどんどん活用しようと思います。

以上、ご参考に。