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LSDのマイクロドージングは、メンタルヘルスにとって、良いの?悪いの?

Medical Xpressに掲載された、こちら "Microdosing LSD: can it help or harm mental health?" の記事から。

マイクロドージングとは通常のLSDの1/10の量を、例えば3日おきに摂取するというやり方です。

長い間、重いうつ病に悩まされた Ayelet Waldmanさんが、マイクロドージングで救われたという話を "A Really Good Day" という本にしたことでも話題になりました。

最近「Addiction Biology」に掲載された論文では、マイクロドージングは、気分、認知能力、感情タスクにおいて劇的な改善をもたらさないという結果が出ました。今日はこの論文の紹介になります。

この論文では「LSDのマイクロドージングは安全であり、心拍数、血圧、その他のバイタルサインに悪影響はない」というマイクロドージングの良い点、安全性についても語られています。

ジョンズ・ホプキンス大学のサイケデリック・意識研究センターのマシュー・ジョンソン所長は「今回の研究結果は、マイクロドージングの効果が ”部分的には” プラシーボであるという証拠の一つに追加される」として、マイクロドージング全体に対して、現段階では懐疑的なようです。

また「マイクロドージングの効果を示すような小さなシグナルすら、まだ(研究上では)見つかってない」とも付け加えています。

LSDを高い用量摂取することで得られる「サイケデリックな体験」こそが、治療に効果をもたらすメカニズムのベースになっている、と所長は指摘してます。そのため、マイクロドージングのコンセプト(=幻覚を伴わない量の摂取)は、このサイケデリックの効果を引き出すメカニズムと相反するものであると、所長は考えているようです。

一方で、今回の論文を出したシカゴ大学精神医学&行動神経科学の教授のde Wit氏は

「長期的な研究によって、いずれは頻繁なマイクロドージングによる効果が見られるかもしれないし、不安やうつなどの気分障害に悩む人々でより多くの効果が見られるかもしれない」

「多くの人々がこのやり方に信頼を寄せているのだから、何かがあって、われわれがそれを見逃しているだけかもしれない」

このように今回の研究でマイクロドージングは効果がないと断言する気はなく、さらなる研究が必要であると付け加えています。

【龍成メモ】
A Really Good Dayは英語の要約アプリで読みました。Ayelet Waldmanさんがマイクロドージングで救われる様子がとても印象的でした。

完全なプラシーボだとするとちょっと残念ですが、長期間摂取など異なる条件での研究も今後行われると思いますので、どのような結果が出るのか期待して待ちたいと思います。

写真はこちらから。今はInactive Accountのようです。

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