妊娠中の飲酒は赤ちゃんの脳構造に影響を与える
Drinking During Pregnancy Changes Baby’s Brain Structure という論文ニュースから。
妊娠中の飲酒がNGなことは広く知られていると思いますが、具体的に胎児の脳構造にどのような影響を与えているのかを明らかにした研究です。
アルコールの暴露(=胎内でアルコールにさらされた)を受けた胎児は、胎児総合成熟度スコア(fTMS)がアルコールに暴露のない対照群と比べ有意に低く、かつ右の上側頭溝(STS)が浅くなっていました。STSは社会的認知、視聴覚統合、言語知覚に関与しています。
研究者によると、胎児の脳発達の遅れは、特に髄鞘(ずいしょう=ミエリン)形成の遅れと、前頭葉と後頭葉の脳回形成の不明瞭さを生じさせている可能性があります。
髄鞘は神経細胞を保護し、情報をより速く伝達することを可能としています。寝返り、ハイハイ、言語処理など乳幼児の発達における重要な節目にも髄鞘形成は直接関係しています。
今回の母親被験者24人のうち17人は飲酒頻度が比較的低く、平均飲酒量は週に1杯未満でしたが、それにも関わらず、胎児の脳発達における著しい変化が見られました。
【龍成メモ】
以前紹介しましたが「胎児期のアルコール暴露が発達障害のリスクを高める」という論文もあります。
Roman KáčerekによるPixabayからの画像
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