サンフランシスコ、復活の狼煙(のろし)を上げる
ちょうど去年の今頃に、サンフランシスコのオフィスの空室率は24.1%になり、昨年2023年末にはなんと35.9%に達したと言われています。
犯罪率も顕著に増加し、ホテル、スーパーマーケット、デパート、アパレルなど、様々なテナントがサンフランシスコから撤退し、全米中そして海外からも完全にオワコン扱いされています。
このままオワコンロードを爆走すると思われたサンフランシスコですが、ここ1週間で超メジャーな経済誌(経済紙)から2つも明るいニュースが出ました。
流れは変わりつつあるのでしょうか?
AIブームの中心地としてのサンフランシスコ
1つ目は The Economistの As San Francisco builds the future of technology, can it rebuild itself? という記事です。
OpenAIに代表されるAIブームの流れもあり、人工知能(AI)がさらに盛り上がっていますが、サンフランシスコはその中心地にいるという話です。
OpenAI、Anthropic、Databricks、Scale aiなどの大手スタートアップのほとんどがベイエリアを拠点としており、スタートアップの資金調達は再び増加傾向にあります。
サンフランシスコ(やカリフォルニア州)の停滞の元凶と言われている政治についても、変わる可能性があるようです。
サンフランシスコに帰ってきたテック企業達
もう1つが Tech Leaders Fled San Francisco During the Pandemic. Now, They’re Coming Back. というWSJの記事です。
パンデミック時に高い家賃(オフィスも住宅も)に嫌気が差した起業家達がサンフランシスコを去りました。しかし、その賭けはあまり上手くいかず、WSJの記事によると起業家達が戻ってきているようです。
また、ベイエリアの新興企業への投資額は昨年は12%減の634億ドルでしたが、テキサス州オースチンやロサンゼルスは、それぞれ27%減と42%減、マイアミに至っては70%減の20億ドルに留まっています。
ベンチャーキャピタルであるShine Capitalの創業者Mo Koyfmanも
「過去50年以上にわたって築き上げられてきたサンフランシスコのようなエコシステムは、パンデミックによって数年で滅びるものではありません」
と断言しています。
【龍成メモ】
サンフランシスコが抱える様々な問題が急に消えるわけではありませんが、記事を読む限りではやはり未だにイノベーションの中心に鎮座しているようです。
また、今までは政治に無関心で「自分たちがハッピーで豊かだったらいいじゃん」と考えていた富裕層の意識が変わっているようです。
人間、ついスキャンダルやかつて勢いがあった人や会社(や国・地域)が凋落する姿に目が行ってしまいますが、このような動きも見逃さないようにしたいですね。
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