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作者の人種差別発言問題で米漫画Dilbertの掲載打ち切りが相次ぐ

オフィス風刺漫画Dilbertの作者が炎上



Tuesday February 28, 2023Guru Is Dumb Or Brilliant

日本でも有名なDilbertの作者Scott Adamsが人種差別発言をしたことで、漫画の掲載を打ち切るメディアが相次いでいます。

一体どのような経緯でこのような発言をしたのでしょうか?

元動画で彼はYoutubeで非常に長い時間話をしているので、気になるところだけピックアップしたいと思います。

「起業家Vivek Ramaswamyの出馬」の話を始める

Vivek Ramaswamy | Vivek Ramaswamy speaking with attendees at… | Flickr

インド系の起業家であるVivek Ramaswamyが2024年の大統領選に出馬すると表明しました。そのことに関してまずは話し始めます。

Scottは今回黒人に対する差別発言をしたということで非難されていますが、Vivek Ramaswamyの話のなかでオバマについても触れており、オバマは非常に優れたコミュニケーターだったと絶賛しています。

アファーマティブ・アクションの廃止を訴えるVivekに賛意

アファーマティブ・アクションの話が出てきます。Vivekが「アファーマティブ・アクションの廃止」を選挙公約として掲げていて、Scottもそれに賛成です。

アファーマティブ・アクションとは奴隷制やそれに伴う長い歴史から未だにハンデを背負ってるアフリカ系アメリカ人に機会を与えようという政策です。具体的には「大学」などに人種による枠を設けて、その枠の中で一定数は必ず入学できるというものです。

しかしこれによって、高校でトップクラス(というか本当にトップでも)で全米レベルでも成績優秀なアジア人が、人種枠が少ないために名門校に軒並み落ちるという問題も起きています。

ScottはVivek Ramaswamyを評価しているようで、彼が大統領になっても構わないと言っています("I would be perfectly happy with either one of them being president. ")。

ラスムセン・ポールの世論調査に怒りをぶつける

そして話題は、アメリカの世論調査会社Rasmussen Reportsが "Okay To Be White" という調査を行ったという話に移ります(プーチンの核戦争の話もででますが、そこは飛ばします)。

日本人からするとOK to be White??どういう意味?という感じですが "It's okay to be white" はアメリカの掲示板4chanにルーツを持つフレーズで、厳密には'Black lives matter'の対義語とは呼べませんが、白人至上主義者や右派の人々の中で広まったようです。

ともかく、"Okay To Be White"という調査に対してScottは怒ってます。黒人の26%がNoと答え、21%が分からないと答えました。すなわち47%の黒人が「白人であることは問題ない」とは言いたくない、とScottは解釈しました。

黒人側に立ち続けたと自負するScott Adams

So I realized, as you know, I've been identifying as black for a while years now. Because I let you know, I like to be on the winning team. And I like to help and I always thought, well, if you help the black community that's sort of the biggest lever you know, you could you can find the the biggest benefit. So I thought, well, that's the hardest thing and the biggest benefit. So I'd like to focus a lot of my life resources in helping Black Americans so much so that I started identifying as black. To just be on the team I was open. But it turns out that nearly half of that team doesn't think I'm okay to be white. Which is, of course, why I identified as black because I could be on the winning team for a while. But I have to say, this is the first political poll that ever changed my activities. I don't know that that's ever happened before. You know, normally you see a poll, you just look at it, you go at whatever.

Youtube

Scottの「自称」なので真偽の程は分かりませんが、彼自身認めているように何らかの得があるからとは言え、何年も前から黒人側に立ち支援を続けてきたそうです。

ラスムセン・ポールの世論調査から黒人をHate Groupとか考えるようになる

先程もとりあげた『47%の黒人が「白人であることは問題ない」とは言いたくない』という点にScottはショックを受け、そんなことを思ってるのであえればそれは「ヘイトグループ」ではないか、とScottは考えるようになりました。

Scottは諦めと怒りから "Just get away" という言葉を吐き捨てる。そして、もう何にも関わらないと宣言

「白人として黒人を支援してきたが、そんな白人である私の存在を認めないと考える黒人が50%近くもいるのか…。そんなHate Groupにはいたくない、もう離れよう。みんな(=白人)も離れた方がいい("just get the f*** away, get wherever you have to go, just get away.")」と吐き捨てます。

そして、こうも付け加えています。

「だから、(属するのは)辞めたんだ。人種差別的なヘイトグループに 加わらないのはいい気分だからだ。今は独立して、どのグループにも属さない。どのグループにも属さない。白人至上主義者でもない、黒人差別主義者(黒人側にいる差別主義者という意味?)でもない。」

ラスムセン・ポールの質問は意味不明 by The Economist

"Okay To Be White" は日本人にとって分かりづらいと書きましたが、The EconomistがDilbert問題について記事を掲載しており、その中で「回答者が混乱する良くない質問」としています。

この質問に21%の黒人が「分からない」と答えていますが、「分からない」という回答が一定数を超える場合は、質問の趣旨自体が分からない場合に生じるようです。

また "Okay To Be White" と聞かれても、(白人が白人であることに反対という意味ではなく)自分自身は黒人なので "No" と答える可能性もあります。

【龍成メモ】

いきなり意味もなくHate Speechを撒き散らしたわけではなく、Rasmussen の調査が引き金になり(また、それまでにも何か心に中に溜まってきたものがあり)、自分がコミットして支援していたグループ(=黒人)から拒絶されたと感じ、それが怒りや嫌悪に変わり「もういいや、もう離れる」となったようです。

そしてそもそも、この調査(Poll)に対するScottの解釈が正しいのかは分かりません。本当に簡単な問いに対する簡単な回答なので、深い考えや意味を読み取ることは不可能です。

#ディルバート #人種差別 #スコットアダムス

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