ピーター・ティール Zero to Oneの要約
簡易戦略メモ~ピーター・ティール Zero to One というnoteを書いた時に、「引用した本の内容、本当なのかな?」と疑問に思ってしまい、Zero to Oneを要約している英語サイトを見つけ、それをまとまてしまったので、ついでに共有します。というのが、以下の内容です。
第1章 未来への挑戦
ゼロをイチにするということは、無から有を生み出すということである。それは、1から10へ、あるいは1から100へよりも大きな飛躍である
進歩には2つの方向がある。現状の改良に近い水平方向の進歩と、全く新しいことを行う垂直方向の進歩
グローバル化は水平方向の進歩であり、垂直的な進歩はテクノロジーによるブレークスルーから生まれます
グローバル化とテクノロジーは異なる形の進歩であり、同時に起こることもあれば起こらないこともある。この2つのうち、未来を決定するのはテクノロジーである
かつて空飛ぶクルマや月旅行など様々な未来が想像されたが、垂直的な進歩が見られるのは、コンピューターテクノロジーだけである
進歩は与えられるものでもなければ、自動的に起こるものでもない。自分たちが生きたいと思う世界を想像し、それを自ら実現(=創造)しなければいけない
新しいテクノロジーはスタートアップから生まれる。大きな組織は無駄に動き回るばかりで、逆に個人単独(=組織を持っていないという意味)では産業全体を創り上げるリソースを有していない。小さく、機敏な集団がイノベーションを生み出す
第2章 1999年のようなパーティーをしよう
※1999年とはドットコムバブルが弾ける直前、狂乱の絶頂にあった年のこと
シリコンバレーにはドットコムバブルによるトラウマが今でも残っている。それは壮大なビジョンに対する疑念だ
小さな進歩、漸進的な変化の方が安全で好ましいと考えられているが、大胆に、大きく動くことにこそ価値がある
競争の激しい市場に大きな利益があるわけはなく、(競争のない)新しい市場を創造することが重要
製品だけでなく、販売も重要であることを肝に銘じること。広告宣伝は資源の無駄遣いではない。
人々は過剰なまでに守りに入っているが、リスクを取ることに戻らなければならない
第3章 幸せな会社はみなそれぞれ違う(≠トルストイ)
「幸せな家庭はみな似ているが、不幸な家庭はそれぞれの不幸の中に個性がある」とトルストイは言っているが、ビジネスにおいては逆である
幸福な企業は彼らが直面している状況に対して、それぞれにおいてユニークな独占状態を持っている。不幸な企業は、(競合状態にある同じ市場において)競争という同じ問題を抱えている
競争環境が激しい市場では、価格は主に需要と供給に左右される。ある企業が提供する商品は、他の企業が販売する商品によく似ている。このような状況下では、企業はあまり儲けることができない。
第4章 競争というイデオロギー
私たちは「競争はポジティブなことである」と信じるように洗脳されてきたが、競争は利益とイノベーションを制限する、あまり役に立たないイデオロギーである。
競争は視野を狭め、脅迫的な敵意を助長する。競争は人々の認識や優先順位を混乱させる
人々は互いに真似るようになり、創造的な可能性が制限される。人々が機会のないところ、機会を見出す原因となる
企業は時には戦わないといけないこともある。そういう時は、激しく戦い、勝つために戦うべきである
しかし、正しい戦いを選びなさい。それは、プライドや名誉を戦いではないのです
第5章 後発組の優位性
企業価値の重要な要素は、その企業が将来的にどれだけの利益を生む可能性があるかということである
既存市場の既存企業には競争があり、その利幅は市場(での競争)の圧力によって削り取られていく
革新的な市場における新興企業は、独占的である可能性が高く、彼らが輝く時代はまだ先にある。従って、新興企業が赤字だとしても、昨年黒字化した既存企業よりも価値があるかもしれない
独占企業には、いくつかの典型的な特徴がある。
独自の技術は、企業に大きな優位性をもたらし得る
ネットワーク効果は、製品(やサービス)をよりよいものにする
企業は大きくなればなるほど強くなる。(コスト増加が規模の増加に比例しなければ)規模の経済が働く
強いブランドイメージは独占を強化できる。もちろん、ブランドの裏には実体がないといけない
教訓は、小さく始めて独占すること。ニッチな分野を見つけたら、その市場で規模を拡大する
しかし、破壊的な存在を目指してはいけない。ダビデがゴリアテに挑むのは、エネルギーの大きな消耗であり、重要ではない
破壊的なテクノロジーという考え方は完全に過大評価されており、先行者利益もまた然りである
第6章 人生は宝くじではない
成功は運であると言われることもあるが、そうであれば連続起業家など存在しないだろう。成功が運であるか努力であるかを証明することはできないが、歴史的に見れば、偉大な思想家のほとんどは「成功は努力によってもたらされる」と言っている。
人は、明確な未来をイメージした楽観主義者にもなれるし、ぼんやとした未来像しか持たない悲観主義者にもなれる
漠然とした悲観主義者は将来は暗いと思っているが、それをどう変えるかという(具体的な)発想は持っていない
今の時代、人々は世界は良くなると思っているが、それがどのように起こるか正確にはわからない。だから、何も計画を立てない
しかし問題なのは、(無計画な)漠然とした楽観主義は長続きしない。誰も計画を立てないままでは未来はよくならない
私たちは「明確な未来(のイメージを持つこと)」に戻る必要がある。スタートアップの創造を通じて、私たちの人生に主体性を取り戻すことができる
第7章 マネーを追え
※パレートの法則を始めとしたベンチャーキャピタルの話がメインなのでスキップ
第8章 秘密
昔はあらゆることが未知であった。今でこそ当たり前だと思われることも、昔はそうではなかった。従って「現代にはもう(解くべき)難しい問題はない」という風潮がある
もう登るべき山はない、発見すべきことは何もないと思うかもしれないが、それは間違いである
探さなければ見つからない、挑戦しなければ成功しない。不可能だと信じ込んでしまえば行動しなくなる。(未来を信じて)やるのか、(不可能だと思い諦め)やらないのか
もし秘密を発見したのであれば、それを共有する相手に気をつけよう。経験則から言えば、伝える必要のある人以外には、秘密を教えない方がいい
第9章 基礎
物事の始まりである基盤は本当に大切である。初期に下した決断は、後で変更が難しいものもある
共同創業者を誰にするのかは、十分に注意しないといけない。結婚と同じで、誰でもいいというわけではない。
初期の間違いは、スタートアップにとって致命的なものになりかねない。この時期に基礎が築かれ、ルールが書かれる。そしてその始まりが、その後のすべてを決定する
アウトソーシングを避ける。全員が一緒に、チームのためにフルタイムで働くようにする。在宅勤務やパートタイム労働者は避ける。全員が同じ目標に向かって牽引されていると感じる必要がある
出産(=生まれてくること)は一時的な現象である必要はない。ボブ・ディランが言うように、生まれるのに忙しくない人は、死ぬのに忙しい人である
始まりは柔軟性のある期間であり、(物事や変化に対して)オープンであることが特徴である。この開放性を制度化することで、イノベーションを奨励する文化を社内に浸透させることができる。あなたの会社は、いつまでも新しく、革新的であり続けることができる
第10章 マフィアのメカニズム
チームを作る。中核的な機能を外注してはいけない。そして、グループを密にする
シリコンバレーでは、職場に卓球台や寿司職人がいる企業がある。しかし、このような派手な要素が文化を作るわけではない。要するに、会社こそが文化そのものなのだ
採用候補者に「私があなたの会社で働きたくなる理由は?」という質問に対して、あなたの会社に特化した理由を答えなければならない
あなたが欲しいのは忠実な社員であって、駐車場が無料であることを気にしている人たちではない。福利厚生は、その業界で一般的なものでよい
全員ができるだけ同じであるべき。漫画が好きとか、そういうことであれば仲良くなり、一緒に仕事ができる
第11章 作れば売れるのか?
営業は重要だが、技術系の人はこの重要性を理解してない
マーケティングが重要なのは、人々が製品を発見するのを助けるからである。広告が有用なのは、それが機能するからである
販売員がどれだけ努力しているか簡単には分からないため、人は販売員を怪しむ。優れた営業マン(ウーマン)は優れた俳優と同じで、一生懸命働いているか分からないほど、よい演技をする
優れた販売と流通があれば、たとえ製品そのものが競合他社と大差がなくても、独占状態を作り出すことができる
流通で重要な2つの指標は、顧客生涯価値(Customer Lifetime Value)と新規顧客獲得コスト(Customer Acquisition Cost)
本当に大きな取引は、営業担当者よりもCEOが行う
マーケティングと広告は、販売員が販売するのに十分な見返りがない低価格の製品のためのもの
バイラルマーケティングは最も安価な製品のためのもの。ユーザーに他のユーザーを引き込ませることができれば、それはバイラル
顧客に売るだけではなく、投資家や従業員にも売り込まなければならない
第12章 人と機械
「コンピューターはすべてを学習することはできません。データを与えればいいというものではありません。データをどんどん与えても、コンピュータが賢くなるわけではありません。人間の分析には及ばないのです」とあり、人工知能が可能になる未来は、はるか先としています。
あくまでも一部の領域ですが「データを与えればいい」という未来が来てしまいました。詳細は割愛します。
第13章 緑を見る
再生可能エネルギーとか太陽光発電とかクリーンエネルギーに関する章です。具体的な産業の話になるので、この章も割愛したいと思います。
第14章 創業者のパラドックス
リチャード・ブランソンがよい例だ。若くして事業を立ち上げ成功した彼は、確かに例外的な存在だったが、よりエキセントリックな振る舞いをしだしたのは、成功した後である。他にも、ショーン・パーカーやレディー・ガガなど、何人かが同様の文脈で語られる
【龍成メモ】
またまた長編になってしまいました。。。「英語の要約そのものを読んだ方が早い?」というレベルの内容ですが、何かの役に立てば嬉しいです。
vined mindによるPixabayからの画像
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