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「教師なし機械学習」が幼児の学習メカニズムから学べること

Lessons from infant learning for unsupervised machine learningというNature Machine Intelligenceに掲載された機械学習(AI)の論文です。

ラベル付けされたデータセットへの依存を減らし、ラベルのない膨大なデータを活用したいという要望から、教師なし(または自己教師あり)学習アルゴリズムに再び注目が集まっているようです。

アルゴリズムをより進化させるために、人間の赤ちゃんの学習プロセスに学ぼうというのが、この論文の趣旨です。

幼児の学習プロセスにおいて、主に以下の3点に学ぶところがあるとしています。

  1. 赤ちゃんの情報処理はガイドされ、かつ制約されている(例えば音声処理においても一般的な音よりも音声に優先して反応するなど、経験によるものではなく生得的な傾向があるということや、音調曲線が誇張されている赤ちゃん言葉であるParenteseを好むことなど)

  2. 赤ちゃんはマルチモーダルな刺激から学んでいる(機械も規則性や意味を見出すために統計的学習を行うが、赤ちゃんは単一刺激のみならず視覚・聴覚・触覚などを組み合わせたマルチモーダルな刺激を組み合わせながら統計的学習を行っている)

  3. 赤ちゃんの入力は発達と能動学習によって形作られている(徐々に向上する視力、姿勢や行動範囲レベルによって視覚から得られる情報も変化する。同じことは胎内で解像度の低い音で学習を始める聴覚にも言える。すなわち多段階的に学習レベルが変化し、かつ前段階の学習を次に生かしている)

【龍成メモ】

特にAIに目覚めたわけではなく、AI研究が脳神経科学から何を学んでいるのか、もしくは学ぼうとしているのか気になり、論文を軽くですが読んでみました。他にも気になる論文がいくつかあるので、紹介していきたいと思います。

こちらのnoteも関連した内容になります。

thedanwによるPixabayからの画像

#機械学習 #脳科学 #幼児発達 #幼児学習

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