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欲せざるを欲し、得難きの貨を貴ばず(老子)

徒然草の第百二十段を読んでいたら『「遠き物を、宝とせず」とも、また、「得難き貨を、尊まず」』という文章がありました。

「遠き物を、宝とせず」は書経から、「得難き貨を、尊まず」は老子から来ています。※老子では正確には「得難(えがた)きの貨(か)を貴(たっと)ばず」です

ということで老子の第六十四章を読んでみました。

安定しているうちは掴(つか)まえやすく、兆しがないうちは手を打ちやすい。脆(もろ)いうちは分解しやすく、微(かす)かなうちは散らしやすい。ことが生じないうちに対処し、まだ乱れないうちに治めておく。
  ひとかかえもある大木(たいぼく)も毛先ほどの芽から成長し、九階建ての高殿(たかどの)も土籠(もっこ)ひと盛りの土から造りだされ、千里もの道のりも一歩あるくことから始まる。
  なにかについて、ことさらなことをする者はそれを壊してしまうし、捕らえようする者はそれを失ってしまう。そういうわけで聖人は、ことさらなことをしないから失敗することがないし、捕らまえようとしないから失うことがない。
  人民がなにか事を行なうときは、いつでも、ほとんど成就(じょうじゅ)しそうなときになって失敗する。最後のところを始めのときと同じように慎重にすれば、失敗することはないのだ。
  そういうわけで聖人は、欲を持たないことを欲とし、珍しい財宝を尊重しない。学ばいということを学とし、誰もが過ぎさってしまた素朴なところに復帰する。そのようにして万物の本来のあり方に任せているのであって、自分から何かをすることはないのだ。

老子(岩波文庫)

【龍成メモ】

以前は韓非子や孫子のような論理的で分かりやすい古典が好きでした。老子などは意味不明な内容なので、自分の中で少し馬鹿にしているところがありました。

しかし最近は老子や莊子が少しずつですが理解できるようになり、心や頭に染み入るようになってきてます。

とは言え実践は相当ハードルが高いので、まずは染み込ませをがんばりたいと思います。

#老子 #莊子 #徒然草 #得難き貨を尊まず

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