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寿命を縮める災害ストレス(FT)

今日(4/18)の日経に寿命を縮める災害ストレスという記事があります(日経は2015年にFTを買収したので、高頻度でFTの記事を和訳して掲載してくれるので有り難いです)。そちらの記事を紹介します。

大型ハリケーン「マリア」を生き延びたサルの集団に、老化が加速した兆候がみられた

米ワシントン大学のマリナ・ワトウィッチ氏らはハリケーンの前後で血液サンプルを比較した。とりわけ興味深いのは免疫細胞の遺伝子の発現パターンだ。これは年齢で変わり、アルツハイマー病など加齢に伴う病気の発症と関連している。ハリケーン後のサルは平均して、襲来前に2歳年上だったサルに特徴的な発現パターンを示した。

寿命を縮める災害ストレス(FT) | 日経

このように記事にはあり、元論文は"Natural disaster and immunological aging in a nonhuman primate"です。

論文によるとハリケーンを経験したサルは、遺伝子プロファイルが平均して1.96歳老化しており、人間に換算すると7~8年老化していることが分かりました。

強いストレスと寿命

交通事故やテロなどの非常に強いストレスにさらされることにより人間の寿命が短くなり、加齢に伴う病気にかかりやすくなる可能性があるというJanet M Lord教授の研究にも触れられています。

これには炎症とストレスホルモン(コルチゾール)が関わってます。また、高齢者はストレスが健康悪化に繋がりやすいという、免疫系の脆弱さがあります。

(おまけ)老化に立ち向かう科学

記事としては以上ですがそれだけだと話として暗すぎるので、Janet M Lord教授の論文をいくつか読んだところ、Biogerontologyという分野があり、抗加齢治療薬が臨床試験中のようです。糖尿病の薬であるMetforminや、Senolyticの名前が挙げられています。

また、歳を取っても自転車による運動を続けている人々(サイクリスト)は、免疫T細胞を作る胸腺という器官の老化が遅いというJanet M Lord教授の研究もあります

【龍成メモ】

Janet教授のYoutube動画もありました。これもかなり面白そうです。

また認知機能については退職による認知機能低下、もしくは退職延期による認知機能の維持についても研究がされています。最近流行りのセミリタイアがストレスを低下させつつ、かつ認知機能維持という点からもよいのかもしれません(災害ストレスの話からはそれてしまいましたが…)。

表紙はAnnabel_Pさんから

#災害ストレス #免疫力低下 #老化 #アンチエイジング

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