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#本棚をさらし合おう~読まないのに、何故、買った?~

 こちらの企画に参加させていただきました!

 楽しくなって、結構な長さになってしまった……。

 改名後、二度目の投稿になります! 元R.S.改めサトウ・レンと申します。と言ってもそもそも初めましての人のほうが多いですよね?

 まぁでも自己紹介するほどの人間でもないので、

 割愛して本題にいきましょう!

 今回いわゆる難解として知られる作品にも言及します。ただ最初に言っておきたいのですが、これは難解な書物の薦めではありません。どちらかと言えば、その逆に位置するものです。ちょっとした昔話なのですが、私は学生時代、教科書に載っている文学作品というものが好きになれず、特に夏目漱石の『こころ』に関しては「誰が読むんだこんなもん」と思っていました(確かその教科書には『こころ』の一部分が掲載されていたはずです)。でもそれから数年が経ち、ふと書店で『こころ』を手に取って読むと、これが不思議なもので、めっちゃ面白いんですよ!

 強いられる読書は何も楽しくないけれど、自分から求める読書は楽しい、ということを知った瞬間ですね。

 いつか読むは、明日から頑張ろうに似ている気がする。

「読まないのに、何で買うの?」と言われたことがある。答えられなかった。何故なら私にも分からなかったからだ。蔵書家の写真を何度か見たことがあり、それから比べると大したこともない蔵書数だが、それでも部屋中を圧迫する、本、本、本……「本好きなら、本に埋もれて死ねたら本望だね」と言われる方もいるかもしれないが、嫌だ……私は本を読みたいが、本にのみ込まれたくはない。

〈本を読みたい〉そう私は間違いなく、この四方八方から「読め!」という呪詛を投げ掛けてくる書物たちを〈読みたい〉と思って購入したのだ。蔵書家、愛書家、コレクター……そのレベルではない私にはそんな呼称、似合わないし、第一そういう気質でもない。読みたい。その動機一点のみで購入したのだ。

 蔵書数の中で読んだ本の量は2割にも満たない。今ある分だけでも死ぬまでに読み切るのはおそらく不可能だ。だからこの中にある書物から、そしてこれから出るあらゆる書物の中から選択していかなければならない。

 あの長大な書物も難解な書物も、〈いつか〉読む、と決めて購入したものだ。しかし……この〈いつか〉を取っ払わなければ、永遠に私はその書物を〈読む本としての〉選択肢にいつまでも入れられないのではないか。そう私はこの〈いつか〉を……。

 はい! ここまで無駄に気取って書きましたが、何のことはありません。ただ読もう、あるいは興味を持って買ったはいいものの、本棚(片付けが下手なので、さらにダンボールに詰め詰めした挙句、その上に本を積み重ねている 笑)に眠ったままになっていて、ある程度読む前に覚悟が必要な作品を5作品挙げることにしました。そしてここに挙げた作品を生きている間に、しっかりと挫折せずに読み切る、という決意表明にしようと思います。

 ちなみに〈蔵書数の中で読んだ本の量は2割にも満たない〉は事実です。昔、知り合いの家に行ったら難しそうな本が並んでいて気後れしたことがありましたが、その人だって私と同じ持っていただけかもしれない、と思うと、すこし安心するから不思議ですね。私と同じような気後れを味わったことがある人は、

「あぁ、こいつは持ってるだけなんだな」と思えばOKです(笑)

 ただ興味がある以上、インテリアにしてしまいたく無いのも本音なんです。というか雑然とし過ぎていてインテリアにもなっていない……。今どうでもいいギャグを思い付きました。インテリアにもならなければ、本を読んでインテリになるわけでもない……まっ、元々インテリになりたくて本を読んでいるわけでもないのですが(笑)

 本棚は全然見せられるのですが、

 部屋が汚すぎるので写真は許してくださいっ(汗)

 ※ちなみに私の本棚とその周辺の乱雑さを伝えるなら、

『鬼滅の刃 1巻』の上に武田泰淳『富士』が置かれ、永井豪『デビルマン』の上に島田荘司『眩暈』が乗っている……という無茶苦茶具合。「外見が老けてる」「雰囲気が老けてる」「趣味が老けてる」……と言われ続けてきましたが、本棚見ながら「老けた本棚だなぁ」と内心で呟きましたよ。

 さて、私は何歳でしょう? 文章だけで当てた方には……、

 褒めてあげます(笑)

 それはさておき、では、スタート!

 1、G・ガルシア=マルケス/鼓直訳『百年の孤独』新潮社

《蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら……。》(帯文より)

 ノーベル賞作家の代表作ですね。「本好きなら読んだことは無くても聞いたことはくらいはある」という表現はよく聞きますが、文学作品で言えばその表現の代表的な一冊なのではないでしょうか。

 2、トマス・ピンチョン/佐藤良明訳『重力の虹』新潮社

《「百科全書的」とまで評される膨大な知の集積と、不可分に融合するポルノにギャグ。世界文学史上の最高峰と評される一方、超難解で知られる謎の天才作家の伝説の最高傑作が、新訳により真の相貌を現す――。》(帯文より)……帯に超難解と書くこの凄み! 読みたい読みたいと思い続けて、早数年。

 3、ロレンス・ダレル/高松雄一訳『アレクサンドリア四重奏』河出書房新社

《熱いライラックの空、砂漠からの乾いた風、埃にしいたげられた無数の街路……ぼくは記憶の鉄鎖をひとつひとつたぐって、あの都会に戻っていく。愛するアレクサンドリア! 記憶の首都――》(びっくりするほど格好いい帯文より)

 三島由紀夫いわく「20世紀最高傑作の一つであり、優にプルースト、トーマス・マンに匹敵する」……らしい。表紙の美しい絵も印象的な、全四巻の超大作。

 4、ジーン・ウルフ「新しい太陽の書」シリーズ(全5巻)ハヤカワ文庫

《遙か遠未来、老いた惑星ウールスで〈拷問者組合〉の徒弟として働くセヴェリアンは、反逆者に荷担した疑いで捕らえられた貴婦人セクラに恋をする。組合の厳格な掟を破り、セクラに速やかな死を許したセヴェリアンは、〈拷問者組合〉を追われ、死にゆく世界を彷徨することとなる……。》(文庫一巻裏より)

 今年亡くなったSF界の巨匠の超大作で、新装版はデスノートなどで知られる小畑健のカバーイラストがとても印象的な作品です。今回紹介する中では一番エンタメ寄りの作品だとは思いますが、二千ページを超える長さで、気軽に読める長さとは言いづらい。

 5、チャールズ・ディケンズ『荒涼館』(全四巻)ちくま文庫

《イギリス19世紀を代表する作家ディケンズが、小説の面白さのすべてを盛り込み、読者に息もつかせぬ興奮の世界をくりひろげる。》(文庫一巻裏より)

『大いなる遺産』や『二都物語』などで知られる文豪チャールズ・ディケンズの作品で、ミステリとしても高く評価されていると聞き、ずっと読みたい読みたいと思いながら、他と同様、早数年の月日が経ちました。

 もう一度、言います。いつか読むは、明日から頑張ろうに似ている。どこかで、必ず読むというスイッチに切り替えなければ、永遠に読まれる機会はやってこないのかもしれません。

 自分のやりたいことを、決心し、表明し、行動する。あれっ……読んでいない本を読む、というだけのことを考えていたはずなのに、人生において大切なことに気付かされたような気持ちに(笑)

 小さいことでも大きいことでも、決心し、表明し、行動する、って大事だよね! 以上。素敵な試みに参加させていただき、ありがとう!

 また楽しそうな企画があったら参加させてくださいっ!