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映画ビギナーの映画感想珍道中記①  「ショーシャンクの空に」

 最初にハードルを下げまくった〈序文〉を貼っておきますので、ご確認のほどお願いします(後で文句を言われても責任が取れないので 笑)。

 誤解を招きかねない表現があったので、念のために個人的な意見を記しておくと、世間で名作と言われるから〈名作〉、大多数に膾炙しているから〈名作〉という考えは好みではないですし、出来ればしたくありません。しかしそれは逆の場合にも使えて、広範の人が愛しているから否定する、という考えはもっと好みではなく、純粋に作品を観て「面白かった」と思うものを素直に「面白かった」と言えればな、と思います。

《俺はこれが何の歌か知らない/知らない方がいいことだってある/よほど美しい内容の歌なんだろう/心が震えるぐらいの/この豊かな歌声が――/我々の頭上に優しく響き渡った/美しい鳥が訪れて塀を――/消すかのようだった/短い間だが皆が自由な気分を味わった》

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 スティーブン・キング原作、名匠フランク・ダラボンの劇場監督デビュー作にして、多くの人々の「マイ・ベスト・ムービー」のひとつに加えられた、新世代の傑作! とある刑務所の受刑者が勝ち取り、分け与えた解放と救い――。誰の心にも静かに、爽やかな感動が訪れる……。
 ショーシャンク刑務所に、若き銀行の副頭取だったアンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)が、妻と間男を殺害した罪で入所してきた。最初は刑務所の「しきたり」にも逆らい孤立していたアンディだったが、刑務所内の古株で"調達係"のレッド(モーガン・フリーマン)は彼に他の受刑者達とは違う何かを感じていた。そんなアンディが入所した2年後のある時、アンディは監視役のハドレー刑務主任(クランシー・ブラウン)が抱えていた遺産相続問題を解決する事の報酬として、受刑者仲間たちへのビールを獲得する。この一件を機に、アンディは刑務所職員からも受刑者仲間からも、一目置かれる存在になっていく。(amazon商品説明より)

 ネタバレなどには出来る限り配慮しますが、ご注意ください。

 原作はスティーヴン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」。

 モーガン・フリーマンが演じる調達係のレッドによる落ち着いた穏やかな語りとともに本作は進行していきます。無実を訴えながらも刑務所に入所することになった男が強いられる過酷な日々とそこで生まれる様々な人間模様を描いた作品で、特にデュフレーンとレッドの決して派手ではないけれど、静かに培われていく友情が胸を打ちます。デュフレーンのその場の空気に流されない誠実な頑なさ(手紙を送り続けるシーンやトミーの盗みをたしなめるシーン……など)が周囲の人々の心を動かしていく光景は、人生の指針を求める人にも強く刺激的だと思います。

 物語の核心に触れてしまうのでぼかした書き方にはなってしまうのですが、物語後半のデュフレーンの行動は薄氷を踏むようなものです。よくそれがばれないな、と思ってしまうものであり、確かにそこに至るまで伏線というのは鏤められているのですが、緻密なミステリやサスペンス的に観るよりかは人間ドラマとして観るべきなのだろうな、と思いました(これに関しては勝手にミステリという先入観を持ってしまっていた自分も悪いとは思うのですが……)。

 刑務所生活を長く続けた者たちの釈放後に訪れる孤独など、物語の本筋以外のメッセージ性も強く、ずしりと重くなる作品でありながら、ラストの情景は美しく爽やかです。

 多くの人が知っている名作と言っていい作品だと思いますし、先ほどnote内で検索しただけでも多数の記事がヒットしました(まだほとんど記事の内容は確認していません)が、とはいえ「まだ観ていない人もいるでしょー?」ということで、そんな人が観るきっかけになってくれたら嬉しいなと思います。

 ……と、これが人生初の映画レビューになるのですが、どうだったでしょうか? ご意見、ご指摘、おすすめの映画などありましたら教えていただければ幸いです(ちなみに何度も言いますが謙遜ではなく、本当に映画に詳しくないので、「これはさすがに知っているだろう」と思う作品でも教えていただけると嬉しいです)。