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一歩進んだ音楽理論 対位法編

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ここでは厳格対位法を使って対位法のあれこれを紹介していきます。
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2023年3月の記事一覧

2声対位法 第3類 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 7

今回からは2声対位法 第3類を学んでいきます。対旋律が四分音符となり、よりメロディーらしさが出てきます。では早速見ていきましょう。 1 2声対位法 第3類最初の小節は一つ四分休符を置いてスタートさせます。最後はこれまでと同様で全音符で終結します。 最初の小節では今まで通り、上が対旋律ならI音かV音でスタートします。下が対旋律ならI音でスタートします。加えて最初の小節ではIの和音でスタートするので、Iの和音と取れないような対旋律は作らないようにします。 最後の小節はI音で

2声対位法 第3類 対旋律を作る練習 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 8

今回は2声対位法 第3類における対旋律をつける練習を行います。 こちらも活用して練習してみましょう。 1 長調の場合やることは第1類、第2類と変わりありませんが ・なるべく反行を用いること ・順次進行を多く用いること ・1小節1和音 ・関節連続8度、5度などの禁則に気を付ける これらを念頭におき、綺麗な旋律線を作れるように練習してみましょう。 例題はこちらです。 いきなり対旋律を作っていもかまいませんが、もし難しいと感じたら先に強拍に来る音だけ決めておいてもよいでしょ

2声対位法 第4類 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 9

今回は2声対位法 第4類についてを学びます。第4類は移勢(シンコペーション)を使ったもので、第2類と同じく2分音符で対旋律を作ります。では早速見ていきましょう。 1 2声対位法 第4類 先ほども述べた通り、対旋律には2分音符を使用します。最初の小節では強拍に2分休符を置き、最後の小節は全音符を置きます。 最初の小節は 上が対旋律ならI音、またはV音で始めます。 下が対旋律ならI音で始めます。 最後から1小節前では 使える和音はVの和音、Vの和音第1転回形、VIIの和

2声対位法 第5類 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 10

今回は2声対位法 第5類についてを学びます。この第5類は第2類、第3類、第4類が複合されたものです。華麗と呼ばれるもので、より対旋律が旋律っぽくなるものです。では早速見ていきましょう。 1 2声対位法 第5類 華麗先ほど述べた通り、第5類は第2類、第3類、第4類が複合された形です。いわば2声対位法の総決算ともいれるものでしょう。 第5類では8分音符を使用できます。8分音符は順次進行の中で控えめに使います。 始めの小節では以下のようなリズムでスタートします。 その他の小

3声対位法 第1類 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 11

今回からは3声対位法を学んでいきます。とは言っても、やることはほぼ2声対位法と変わりはありません。2声対位法をマスターしていれば、そこまで難しいものではないと思います。では早速見ていきましょう。 1 3声対位法 第1類声部が3つとなり、上、真ん中、下の声部に分かれます。 3声対位法 第1類では定旋律に対して、全音符で二つの対旋律を作ります。 和音は2声対位法と変わらず、長・短3和音基本形と、長・短・減3和音の第1転回形です。 最初の小節と最後の小節ではIの和音の基本形