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一歩進んだ音楽理論 対位法編

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ここでは厳格対位法を使って対位法のあれこれを紹介していきます。
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2023年2月の記事一覧

一歩進んだ音楽理論 対位法編

ここでは複数の声部(パート)を互いに調和させながら重ねていく技法である対位法についてをご紹介いたします。ここでは厳格対位法というものを用いて様々な制約の中、どのように音を並べていくかを見ていこうと思います。 1 2声対位法対位法の基盤となるものが、2声対位法です。2声対位法を熟知したうえで、3声、4声と声部を増やしていきます。 ここではあらかじめ与えられた旋律である定旋律(Plainchant)の上、または下に旋律を付け加えます。 付け加える旋律は 第1類 全音符 第2

2声対位法における好ましい進行 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 2

前回からの続きです。ここでは2声対位法第1類において好ましい進行、なるべく避けるべき進行などを紹介していきます。響きの面を重視した結果生まれたものですので、守れるものはなるべく守っていきたい事項です。では見ていきましょう。 1 好まれるもの、避けるべきもの(i) 和声でもありましたが、なるべく反行を多く使用し、長い順次進行を含んでいること。並行をする時は並達8度などの禁則を破らないように注意しましょう。跳躍進行の時は2度続けて同じ方向に飛ばないようにしましょう。 (ii)

対旋律を付ける練習 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 3

前回までの禁則や、好ましい進行、避けるべき進行を考慮しながら実際に与えられた定旋律に対旋律を付ける練習をしてみましょう。 1 長調(メジャー)以下の例を使い対旋律を付けてみましょう。 まずは1小節目、最後から1小節前、最後の小節の音は制限があるのでそこからまず決めてしまいます。 最後の小節は必ずIの音(ド)で終わるので、必然的に対旋律もIの音(ド)になります。 最後から1小節前はVの和音、Vの和音第1転回形、VIIの和音第1転回形のいずれかを使用します。定旋律でレ(D)

2声対位法 第2類 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 4

今回からは2声対位法第2類についてを学びます。ここからは対旋律が全音符から二分音符に変化し、また規則なども変化します。では見ていきましょう。 1 2声対位法 第2類第2類では二分音符で対旋律をつけます。 リズムは最初の小節のみ二分休符を挟み二分音符を一つ置き、最後の小節のみ全音符で締めくくります。 第1類と同じで 最初の小節はI音またはV音(下が対旋律の場合はI音のみ) 最後から1小節前はVの和音、Vの和音第1転回形、VIIの和音第1転回形を置く 最後の小節はI音 はか

2声対位法 第2類② 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 5

2声対位法第2類の続きです。 ここでは第2類における、制限や禁則事項などを見ていきます。 1 2声対位法 第2類における制限事項・2声対位法 第2類において1小節に使える和音は1つの和音のみです。なので1小節にIII→IVなどと2つの和音を置くことはできません。 ただし長三和音から長三和音第1転回形、短三和音から短三和音第1転回形への変化は良いとします。 ・対旋律の強拍には和声音を置きます。例えばIの和音の時は、強拍における音はI、III、V音(Cメジャーならドミソ)で

2声対位法 第2類 対旋律をつける練習 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 6

今回は2声対位法第2類における対旋律をつける練習をしてみましょう。 1 注意すべき点気をつけるべき点は以下の通りです。 ・順次進行を多く用いて、できる限り反行を用いる ・連続8度、5度や並達8度、5度などの禁則に加え、間接連続8度、5度にも注意すること ・例外を除いて1小節1和音を守ること これらを気にしながら対旋律をつけていきましょう。 1 長調(メジャー)の場合では以下の例題を使って対旋律をつけましょう。 1小節目はI音またはV音、最後の小節は必ずI音です。 最