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乾燥について

最近手がカサカサしており、先日人生初めての赤切れというものも経験した。

元来、油分が豊富な体質なので、普通なら冬場でも手は潤いに満ちてテカテカしている。    ところが今年はあらゆるところでアルコールスプレーをかけられるせいか、明らかに乾燥肌に陥っている。

手の乾燥に対する解決策として、ハンドクリームがある。ただ、僕はハンドクリームが得意ではない。匂いはいいなぁと思うのだが、塗った後のベタつきがどうも苦手である。塗った後に、マウスやキーボード、ペンなんかを触ると、これらの道具たちにもヌメヌメが伝染していく。

そして「手に触れるものが全てヌメヌメになるくらいなら、いっそ潤わなくたっていい。栄誉あるカサカサを選ぼうじゃないか。」と高らかに宣言する。

しかし、たまに可憐な女性社員の先輩が「これ、めっちゃ良い匂いなんだよ〜」と言いながら、 クリームを差し出してくることがある。

宣言を取り下げることにする。

「ヌメヌメこそ正義だ。大体、カサカサに乾いて逆立った皮膚が引っかかり、誰かが傷つく可能性も否めない。さぁ潤おうではないか。」

「なんか良い匂いするなぁって思ってたんすよぉ○○さんのクリームだったんですねぇ」とにやけ顔で言いながら、両手を差し出す。(キモい)

そして、自分からは縁遠いフローラリーな香りに包まれながら、幸せにも包まれながら仕事に戻る。触れるものはヌメヌメしてるが、関係ない。

いとも簡単に転向をする瞬間である。

ところで、冬場にテレビの天気予報を見ていると、気温、湿度と共に「素肌乾燥指数」なるものが登場する。乾燥していると「カサカサ」すごく乾燥していると「ガサガサ」と表現される。

2つの「カ」の上に点が4つついただけだが、皮膚が耐えかねる乾燥具合が伝わってくる。

「ガサガサ」という予報を見た時は、ハンドクリームはまだ慣れないので、こっそりポケットに化粧水を忍ばせて使うことにした。


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