豆について

最近、豆がうまいと感じるようになってきた。

子どもの頃はグリンピースが天敵だった。グリンピースから派生して、豆類全部に抵抗感があった。いくら自分の好きな料理が出てきても、そこに豆が入っていると一気にガッカリしたものである。

豆をうまいと感じ始めたのは、お酒を飲むようになってからだろう。おつまみの代表格、枝豆はもちろん、空豆や落花生etc…。口に放り込み、うまみを感じながら酒を流し込む。この一連の動作には、様式美とも言える至上の愉しみがある。

今や豆は、天敵からナイスパートナーへと昇格した。

そんな僕が最近ハマっている豆は、いかり豆である。いかり豆は、空豆を揚げたものらしいが、世界一うまい豆であると思う。食感、旨み、塩気のどれを取っても最高点で、我が家の晩酌の心強いパートナーである。コンビニにも売ってるので、食べたことのない人には、是非食べてみてほしい。

ところで、豆で急に思い出したのだが、通っていた小学校のそばに「マ・メゾン」という賃貸住宅があった。小学生の頃は、マメ・ゾンだと思っており「変な名前だなぁ」なんて思っていたことで何故か覚えている。

調べてみたところ、マ・メゾンはフランス語で「私の家」という意味らしい。由来を知ると、何ともシンプルで飾りすぎない良い館名であると思えてくる。

思えば、豆は種子であり、生命の発生源である。いわば、生命の故郷。私の家。ということになるのではないだろうか。

そんなことを考えていると、豆のあの愛らしい丸みを帯びたフォルムが更に愛おしく見えてくるのである。

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